◆2023年 7月◆

審査評 この上ないタイミング

今月も身近な祭りやイベント、季節の動植物など、バラエティーに富んだ作品が寄せられました。応募数は127点でした。

最優秀賞は溝口一郎さんの「着地」です。ヤマセミが木の枝に止まろうとする瞬間を、この上ないタイミングで捉えました。さらに、もう1羽が引き立て役になって、広げた羽の美しさを際立たせています。ヤマセミは、警戒心のとても強い鳥と聞きます。動きの速い野鳥をシャープに写す技術の高さに加え、撮影の準備にかけた時間や、忍耐力がうかがえる見事な1枚です。

優秀賞には圷晃さんの「髪の舞」と大和田健さんの「Happy Road」が選ばれました。「髪の舞」は、YOSAKOIの踊り手の躍動感を、髪の毛に注目して表現しました。前後に大きくなびく様子が踊りの激しさを伝えています。着眼点が光る作品です。

「Happy Road」は、残照とちょうちんの明かりが共存する時間帯を選び、梅雨時の夕暮れの雰囲気を上手に切り取っています。遠近感を強調した構図や、アジサイの咲く参道を歩く人の配置もよいです。(写真映像部)





「着地」 溝口一郎(行方市)




「髪の舞」 圷晃(常陸大宮市)


「Happy Road」 大和田健(筑西市)




「ハス田朝景」 酒寄英紀(筑西市)


「ジャンプ」 藤井美代志(かすみがうら市)


「快適住空間」 川村昇司(水戸市)


「宵の花嫁さん」 加治真継(阿見町)


「初夏の音」 佐々木敏勝(日立市)


「旋律」 田上勤(城里町)


「染まる清流」 萩谷正男(常陸大宮市)


「蛍の星空」 広瀬泰成(水戸市)


「祈る」 佐藤登(常陸大宮市)


「対峙」 斉藤孝一(つくば市)

2023年 7月