◆2024年 7月◆
叙情的で美しい風景
今月は、初夏から梅雨の季節の風物やイベント、スナップなど、133点の応募がありました。
最優秀賞は稲葉清美さんの「夕焼け小焼け」です。真っ赤に染まった印象的な夕焼け雲をモチーフに、大樹や人物を効果的に取り入れ、叙情的で美しい風景写真に仕上げました。暮れる空と、影絵のような前景のバランスが絶妙です。子どもたちの動きを捉えたシャッターチャンスの見極めや、夕焼けの赤色を強調するマイナス補正も的確で、表現意図が明確に伝わってきます。作者の作品作りに対する引き出しの多さが分かる秀作です。
優秀賞には仲根正道さんの「危機一髪」と袴塚優人さんの「何度でも立ち上がる」が選ばれました。「危機一髪」は、山形新幹線の撮影中に突然、線路内に現れたサル。列車の接近に気付いているのかいないのか、カメラ目線で余裕をかましている姿がユーモラスです。偶然が生み出す写真ならではの面白さを感じる作品です。ちなみにこのサルは無事だったそうです。
「何度でも立ち上がる」は、大宝八幡宮(下妻市)で行われた大相撲の高砂部屋合宿稽古での一場面です。背中に土がついた力士と、その前に立ちはだかる別の力士。極限まで省略された構図の中に、しっかりと物語性が込められています。(写真映像部)


「夕焼け小焼け」 稲葉清美(つくば市)
ニコンD750 28~300ミリ f18 1/30秒 ISO360(マイナス0.7補正)=つくば市


危機一髪」 仲根正道(城里町)
キヤノン 55~200ミリ f6・3 1/1000秒 ISO400=山形県

「何度でも立ち上がる」 袴塚優人(水戸市)
キヤノン 400ミリ f6・3 1/1000秒 ISO10000=下妻市


「おはよう。」 道川つや子(茨城町)

「確かな感触」 丸森勝造(土浦市)

「新茶のかおり」 佐々木敏勝(日立市)

「ダブル・夕陽」 小川誠二(鉾田市)

「蜘蛛の巣」 桜井孝(常総市)

「なかよし」 大和田健(筑西市)

「親父さん」 鈴木裕彦(かすみがうら市)

「流れに乗って」 小圷正路(水戸市)

「同調飛行」 斉藤孝一(つくば市)

「宵の嫁入り船」 夕田盛利(鹿嶋市)