◆2024年 9月◆
共感覚える「夏」表現
今月は、夏から秋へ季節の移ろいを感じる風景や身近な動植物、祭りなど、80点が寄せられました。
最優秀賞は西口邦彦さんの「夏休み」です。アイスを頬張る少女に、扇風機とお盆を連想させる写真や花を組み合わせ、多くの人が共感を覚える「夏」を表現しています。主役となる被写体の背景や前景に、関連性の強い脇役を取り入れて写真のテーマを強調する手法は「引っ掛け」と呼ばれ、報道写真ではよく使われますが、奥行きを上手に使っているあたりに作者の力量を感じます。何げない日常の中でも、よい写真は撮れるというお手本のような作品です。
優秀賞には小圷正路さんの「助けてー」と野口晴重さんの「ピッピ!ピッピ!」が選ばれました。「助けてー」は、羽が水にぬれもがくトンボ。正面から超望遠レンズで捉えました。擬人化したタイトルの効果で、ただならぬ緊迫感が漂っています。
「ピッピ!ピッピ!」は、真鍋のまつり(土浦市)でのスナップ。呼子笛を鳴らす子の表情と程よくぼかした背景が、祭りの雰囲気をよく伝えています。(写真映像部)
「夏休み」 西口邦彦(石岡市)
リコー 28ミリ f2.8 1/80秒 ISO800=土浦市
「助けてー」 小圷正路(水戸市)
ニコンD5 800ミリ f8 1/640秒ISO500=水戸市
「ピッピ!ピッピ!」 野口晴重(土浦市)
ニコンD610 28~300ミリ f5.61/160秒 ISO100=土浦市
「奇祭」 佐々木敏勝(日立市)
「葉脈の神秘」 稲葉清美(つくば市)
「猛暑日の昼下がり」 石嶋智雄(結城市)
「退屈なシシ頭」 丸森勝造(土浦市)
「風吹かないね~」 大和田健(筑西市)
「初虹に歓喜」 夕田盛利(鹿嶋市)
「勝者」 武捨義則(常陸太田市)
「邪気を払う竿燈」 平沢徳孝(常陸太田市)
「カエルが見た朝」 桜井孝(常総市)
「ハッとあぶない!」 鈴木裕彦(かすみがうら市)