◆2024年11月◆
夕日と対峙する臨場感
今月は、夕焼けや紅葉、収穫の風景、祭りなど、秋の情景を中心に101点が集まりました。
最優秀賞は桜井孝さんの「レタス畑 午後4時半」です。日が短くなるこの季節、作者は夕暮れ時のレタス畑の美しさに気付き、シャッターを切りました。寒色から暖色へと不思議な色合いのグラデーションを見せるマルチシートの列と、沈みゆく太陽。空と地面の露出差をハーフNDフィルターを使って調整し、上手に構図をまとめています。広大な畑の中に立ち、夕日と対(たい)峙(じ)しているような臨場感が魅力の風景写真です。
優秀賞には白取晋さんの「紫金山・アトラス彗(すい)星(せい)」と和田浩司さんの「影長く」が選ばれました。「紫金山・アトラス彗星」は、昨年発見され、今年10月に話題になった彗星。観測できるのは今回限りとあって、毎夕西の空にレンズを向けた人も多かったのでないでしょうか。作者は天体望遠鏡とデジタル一眼レフカメラを接続して、美しく尾を引く姿を見事に捉えました。
「影長く」は、太陽の南中高度が低くなるこの時期らしいスナップ写真です。オレンジ色に照らされた壁に伸びる、楽しそうに会話しながら歩く2人の影。階段の造形を画面に取り入れ、程よくリズムをつくり出している構図が〝技あり〟です。(写真映像部)
「レタス畑 午後4時半」 桜井孝(常総市)
「紫金山・アトラス彗星」 白取晋(常陸太田市)
「影長く」 和田浩司(日立市)
「交差点」 小圷正路(水戸市)
「筑波路を走る」 稲葉清美(つくば市)
「スポット紅葉」 平沢徳孝(常陸太田市)
「冬の匂いを探して」 荒井絢佑(利根町)
「燈」 樫村康宏(神栖市)
「狙う」 佐藤邦夫(東海村)
「懐かしい・シネマ」 斎藤美喜雄(つくば市)
「食欲の秋」 藤井美代志(かすみがうら市)
「ヤッター!!」 冨永幸男(城里町)
「締めの喜び」 佐藤次男(常陸大宮市)