◆2024年12月◆
列車と朝日 「共演」の一瞬
今年最後の紙上フォトコンテストには、晩秋の彩りを題材にした作品を中心に123点が寄せられました。
最優秀賞は、望月森雄さんの「水郡線」です。今年、全線開通から90年を迎えたJR水郡線を、独創的な視点で切り取りました。緩やかな坂を上る列車と朝日が重なり、車両の前から後ろに太陽の光が貫く一瞬を捉えています。このような条件がそろうシャッターチャンスは年に数回しかないでしょう。着眼点の素晴らしさと緻密な計算、地道な努力が生んだ会心の1枚です。
優秀賞には小圷正路さんの「波紋が描く」と広瀬泰成さんの「冬の狼煙」が選ばれました。「波紋が描く」は、紅葉の燃えるような赤色を映す水面。水鏡の風景が、波紋やさざ波によって複雑にゆがめられ、絵画の筆致のように見える様子に着目しました。作者の観察眼が光る作品です。
「冬の狼煙」は、きりりと澄んだ夜空に、繊細な線を描く常陸太田市制70周年・合併20周年記念花火。絞りをf14まで絞り込むことで、晩秋の空気感を伝えています。(写真映像部)
「水郡線」 望月森雄(常陸大宮市)
オリンパス 75~300ミリ f11 1/320秒 ISO200=常陸大宮市
「波紋が描く」 小圷正路(水戸市)
ニコンD850 24~70ミリ f8 1/250秒 ISO5200(PLフィルター)=水戸市
「冬の狼煙」 広瀬泰成(水戸市)
パナソニック 24~70ミリ f14 10秒 ISO100=常陸太田市
「銀杏並木の二人連れ」 稲葉清美(つくば市)
「里の秋」 藤井美代志(かすみがうら市)
「夜間工事」 桜井孝(常総市)
「朝日に輝く」 山口定夫(常総市)
「気合い充分」 根芝一夫(古河市)
「夕照に舞う」 佐藤次男(常陸大宮市)
「清々しい朝」 野沢昇(筑西市)
「錦秋」 大和田健(筑西市)
「ブルーインパルスⅠ」 平沢徳孝(常陸太田市)
「どっちへ行けば」 河野康(常陸大宮市)