◆2025年 2月◆

構図、表現　際立つ総合力

今月は、年末年始や小正月の行事、厳冬期の自然・風景を中心に114点の作品が寄せられました。

最優秀賞は平沢徳孝さんの「並走」です。煙をなびかせながら五行川の鉄橋を渡る真岡鉄道の蒸気機関車。露出を切り詰めてシルエットになるように列車を写したり、低く垂れ込めた雲を生かして上下対称の構図をとったりするなど、あえて実物と水鏡の区別が曖昧になるように描写しています。タイトルの「並走」も、言い得て妙です。気象条件を味方に付ける表現力やタイトルの付け方など、作品づくりの総合力が際立っています。

優秀賞には望月森雄さんの「氷の造形」と西口邦彦さんの「願い」が選ばれました。「氷の造形」は、厳冬期の渓谷で、岩肌に飛んだしぶきが粒状に凍り、宝石のように輝く様子に着目しました。氷の造形美に透ける琥珀(こはく)色が彩りを添えています。

「願い」は、とりで利根川どんどまつりでの一風景。無病息災を願って餅を焼く人たちをローアングルで狙い、立ち上る炎に照らされた表情を叙情的浮かび上がらせました。