◆2025年 6月◆

審査評 鮮烈な青緑色、感性に脱帽

今月は、爽やかな初夏の空気を感じる風景や季節の動植物、祭りなど、バラエティーに富んだ作品が寄せられました。審査会には135点の作品が並びました。
 最優秀賞は須藤一己さんの「蒼い螺旋」です。まず目に飛び込んでくる鮮烈な青緑色に驚きました。スチール製の螺旋(らせん)階段が作り出す幾何学模様をモチーフに、彩度とコントラストを上げて抽象化することで、インパクトのある作品に仕上げています。桜の花びらも、無機質な画面の中でアクセントとなり良い効果を与えています。身近な物から完成度の高い作品を紡ぎ出した作者の感性に脱帽です。
 優秀賞には桜井孝さんの「跳ねる」と西口邦彦さんの「心一つ」が選ばれました。「跳ねる」は、産卵期を迎えた野(の)鯉(ごい)の躍動感あふれるジャンプ。その一瞬を美しい光の中で捉えました。いつどこから飛び上がるか分からない鯉を写真に収めるには、かなりの努力が必要だったでしょう。
 「心一つ」は、大子町で行われた常陸国YOSAKOI祭りの一こま。望遠レンズのボケ味を生かし、一人の踊り手に焦点を合わせることで、チーム全体の一体感を表現しています。狙いが明確に伝わる作品です。(写真映像部)





「蒼い螺旋」 須藤一己(筑西市)
富士フイルム 16~55ミリ f8 1/200秒 ISO1600=桜川市




「跳ねる」 桜井孝(常総市)
キヤノン 200~800ミリ f7.1 1/2000秒 ISO1250=常総市


「心一つ」 西口邦彦(石岡市)
ニコンZ9 70~200ミリ(2倍テレコン) f5.6 1/2000秒 ISO400=大子町




「朝日を浴びて」 飯泉克巳(筑西市)


「車窓から見る日常」 春原善幸(つくば市)


「ふたりが進む」 袴塚優人(水戸市)


「はい、撮るよ!!」 夕田盛利(鹿嶋市)


「夢えらび」 田上和喜(小美玉市)


「もうすぐ巣立ち」 溝口一郎(行方市)


「植付け最盛期」 佐藤邦夫(東海村)


「夢一夜」 望月森雄(常陸大宮市)


「佇む」 石嶋智雄(結城市)


「心頭滅却」 大和田健(筑西市)

2025年 6月