◆2025年 10月◆

満ち足りた時間残したい

今月は、年に1度のテーマ設定月です。今年のテーマは「残したい風景」。撮影者の思いが詰まった129点が寄せられました。

最優秀賞は笹島為典さんの「家路へ」です。閉園時間が迫るひたちなか市の国営ひたち海浜公園で、思い思いに出口へ向かう人たち。被写体としては見過ごしてしまいがちな情景を、夕焼け空を背景に浮かび上がらせました。「家族と一日を過ごし、幸せに浸りながら家路に就く。その満ち足りた時間を風景として残したかった」と笹島さん。シルエットを効果的に使い印象的な風景写真に仕上げています。

優秀賞には平沢徳孝さんの「吊橋・雪景」と大和田健さんの「ありがと」が選ばれました。「吊橋・雪景」は、美しく雪化粧した常陸太田市の竜神峡。最近、雪が降ることが少なくなり、近い将来「この風景が見られなくなるかもしれない」という思いでシャッターを切ったそうです。

「ありがと」は、日常の出来事から切り取った風景。身近にある小さな幸せこそが、かけがえのないものだと気付かせてくれる作品です。(写真映像部)





「家路へ」 笹島為典(城里町)
パナソニック 28~200ミリ f5.8 1/100秒 ISO1250=ひたちなか市




「吊橋・雪景」 平沢徳孝(常陸太田市)
ニコンD850 28~300ミリ f16 1/15秒ISO100=常陸太田市


「ありがと」 大和田健(筑西市)
キヤノン 70~200ミリ f5・6 1/400秒ISO1000=桜川市




「葉タバコ収穫」 冨永幸男(城里町)


「並ぶ塔」 飯泉克巳(筑西市)


「彩りの秋風」 溝口一郎(行方市)


「朝練」 佐藤邦夫(東海村)


「月食 境界のブルー」 白取晋(常陸太田市)


「祈る」 望月森雄(常陸大宮市)


「伝統が映る」 田上和喜(小美玉市)


「熱演」 仲根正道(城里町)


「歴史を伝える」 須田政雄(日立市)


「職人技」 島田道子(日立市)

2025年 10月