◆2025年 11月◆

疾走感と美しさ表現

今月は祭りやイベント、秋の深まりを感じる風景など、力作112点の応募がありました。

最優秀賞は、県内有数のハクチョウの飛来地、古徳沼(那珂市)で写した橋本寛文さんの「朝靄(もや)を破って」です。スローシャッターと流し撮りのテクニックを組み合わせ、ハクチョウが飛び立つ直前の疾走感と羽の美しさを見事に表現しています。ハクチョウを際立たせる背景や統一された色調、先頭の鳥の目に合わせたピントからも、作品づくりへの明確な意図と技術の高さがうかがえます。今シーズンに撮影された写真ではありませんが、毎年数多く寄せられるハクチョウを題材にした作品の中でも、完成度の高い1枚に仕上がっています。

優秀賞には平沢徳孝さんの「早朝漁」と、宮木尚男さんの「華の祝宴」が選ばれました。「早朝漁」は、晩秋の那珂川。アユ漁でしょうか。朝日に輝く川霧を上手に利用し、漁をする人と放たれた投網を浮かび上がらせています。ひんやりとした秋の空気感が伝わる作品です。

「華の祝宴」は、土浦全国花火競技大会で打ち上げられたワイドスターマイン。絢爛(けんらん)豪華さをそのままに写し留めました。NDフィルターを用いた露出の制御が秀逸です。(写真映像部)





「朝靄もやを破って」 橋本寛文(水戸市)
ニコンD750 100~400ミリ f10 1/10秒 ISO100(NDフィルター)=那珂市




「早朝漁」 平沢徳孝(常陸太田市)
ニコンD850 28~300ミリ f14 1/250秒 ISO64=常陸大宮市


「華の祝宴」 宮木尚男(阿見町)
オリンパス 12~100ミリ f4 17秒 ISO200(NDフィルター)=土浦市




「ブルームーン」 大和田健(筑西市)


「日の出前」 藤田正司(筑西市)


「気迫」 石嶋智雄(結城市)


「2本の尾を引くレモン彗星」 白取晋(常陸太田市)


「ほったよー!!」 田上勤(城里町)


「ちょっと待って!」 藤田孝雄(常陸大宮市)


「一意専心」 袴塚優人(水戸市)


「茜時ど刻き」 太田典男(笠間市)


「光を連れて」 和田浩司(日立市)


「七、五、三、」 佐々木敏勝(日立市)

2025年 11月