台風18号 県内1人死亡 石岡・恋瀬川が氾濫
大型で強い台風18号の影響で県内は6日、全域で激しい雨や風に見舞われ、道路の冠水や住宅の浸水被害が相次いだ。県警によると、常陸太田市の沢にうつぶせになっていた男性(78)の死亡が確認され、常陸大宮市では田んぼの見回りに出掛けた男性(85)が行方不明となった。県防災・危機管理課が台風との関連を調べている。同課のまとめによると、2人が軽傷を負い、床上浸水は笠間市などで5棟、床下浸水は下妻市や石岡市などで56棟に上った。石岡市を流れる恋瀬川は豪雨の影響で増水し、氾濫した。交通機関のダイヤも大きく乱れた。
水戸地方気象台によると、降り始め(4日午後1時)からの雨量は石岡市柿岡で278・5ミリ、笠間で269ミリとなり、県内計8地点で200ミリを超える記録的な大雨となった。鹿嶋市では午前10時前に最大瞬間風速21・5メートルを観測した。
県によると、6日午前8時すぎ、牛久市中央の飲食店で、増水して浮き上がったマンホールにつまづいた男性(48)が転倒し、軽傷を負った。
石岡市柿岡の路上でも同日午後、車両が浸水し、救出された女性(65)が体温低下のため病院に搬送された。外傷はなかった。
住宅の浸水被害は常総、桜川、下妻、笠間の4市で床上浸水が計5棟。下妻市では本城町などで44棟が床下浸水したほか、恋瀬川が氾濫した石岡市でも浸水被害がさらに広がる可能性がある。
氾濫した恋瀬川の下川橋(石岡市柿岡)の水位は、普段は30センチ程度で推移しているが、5日午後から上がり始め、6日午後2時に氾濫注意水位(2・6メートル)を大幅に上回る3・89メートルを記録した。
また、取手市が市内全域に避難勧告を出したほか、桜川市や石岡市など8市町も一部地域で避難勧告を出した。同日正午ごろのピーク時には17市町村で計154人が体育館などに自主避難した。
JR常磐線は同日午前9時すぎから遅れや運休が生じ、土浦-竜田駅(福島県)間で一時運転を見合わせた。特急を含む上下線計104本が運休し、約3万9千人に影響が出た。水戸線や水郡線のほか、私鉄各線でも運休や遅れが生じた。