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イルカ150頭漂着 鉾田の海岸、大半は助からず

鉾田市の海岸に約150頭のカズハゴンドウの群れが漂着した=10日午前11時40分ごろ、鉾田市上沢の京知釜海岸、菊地克仁撮影
鉾田市の海岸に約150頭のカズハゴンドウの群れが漂着した=10日午前11時40分ごろ、鉾田市上沢の京知釜海岸、菊地克仁撮影


10日午前6時ごろ、鉾田市の海岸で、複数の住民から「イルカが打ち上げられている。生きているので助けてほしい」と海上保安本部や消防に通報があった。市などが確認したところ、同市上沢の京知釜海岸の砂浜に、約150頭のイルカが漂着していた。

アクアワールド県大洗水族館によると、打ち上がったのはカズハゴンドウ。大人で体長約3メートル、体重200キロ近くになる。1月から4月にかけて、茨城沖の南寄りで餌を捕ることが多く、県内でもこの時季にマスストランディング(漂着・座礁)する例が多い。

市は同日午前10時ごろ、現地対策本部を設置し、海保や同水族館などと協議。波が高く沖に出して海に返すことは極めて困難と判断し、海保の巡視艇で搬送できる数頭を除き、砂浜で安楽死させ埋めることを決めた。

同本部は正午ごろまでに、同海岸の約3キロで約150頭の漂着を確認した。漂着は同市大竹から鹿嶋市北部までの海岸線約10キロにおよび、救助され海に返ったイルカもいる。

同水族館海獣展示課の高石慎也主任は「餌の深追いなどが考えられるが、はっきりした原因は分からない。地形や潮流なども影響しているのではないか」としている。

京知釜海岸近くに住む女性(75)は「カラスの鳴き声がして来てみたら(海岸が)真っ黒になっていた。こんなにいっぱい上がったことはない」と驚き、別の女性(78)は「(東日本大震災の)数日前も鹿嶋市で漂着があった。地震が起きなければいいが」と心配げな表情を浮かべた。

対策本部は、午前11時ごろから、重機による死んだイルカを埋める作業を開始。市の担当者は「かわいそうだが仕方ない」と語った。(島田真太郎、黒崎哲夫)



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