TX沿線開発 街生まれ、暮らし息づく
街が生まれ暮らしが息づく-。大規模開発により人口増加が続くつくばエクスプレス(TX)沿線。自然に恵まれた環境と、都心への交通の便の良さが注目され、子育て世代の流入が目立つ。商業施設や物流倉庫などの建設も活発だ。
TXと圏央道が十字に交差するつくば市島名の万博記念公園駅周辺。住宅に加え、企業の研究施設やビジネスホテルなどの建設が進む。同所で生まれ育った、農業、白石正一さん(60)は「以前は一面が畑で筑波山が見通せた。こんなにマンションが建つとは思いもしなかった」と変化に驚きつつ、「TXを利用して秋葉原に買い物に行ったり浅草にお参りに行ったりして楽しんでいる」と話す。
県内にあるTXの駅で最も乗客が多い守谷駅は、秋葉原駅まで最短で32分。2歳の娘を持つ守谷市、デザイナー、染谷和花さん(35)は「都内で働いていても幼児園のお迎えに間に合う」と、TX沿線に住む魅力を話す。
同市内で一番新しい住宅地、松並青葉地区には、宅地の販売開始から6年で約3千人が移り住んだ(7月1日現在)。近くの小学校は児童数の急増に伴い、校舎を増築。公園には子どもたちのにぎやかな遊び声が槌(つち)音と共に響き、活気にあふれている。