八千代夫婦殺傷 農作業、現場に土地勘か 逮捕の男、容疑否認
八千代町平塚の住宅で8月24日未明、住人の無職、大里功さん(76)が刺殺され、妻の裕子さん(73)も重傷を負った事件で、裕子さんに対する殺人未遂容疑で逮捕されたベトナム国籍で近くに住む農業実習生、グエン・ディン・ハイ容疑者(21)が容疑を否認していることが3日、捜査関係者への取材で分かった。普段は現場近くの畑で農作業に従事していたことも判明。県警の捜査本部は、事件は土地勘のあるグエン容疑者の単独犯とみて動機や夫婦との関係などを調べている。捜査本部は同日、同容疑でグエン容疑者を水戸地検に送致した。
捜査関係者によると、グエン容疑者は取り調べに応じており、凶器とみられる包丁の購入を認める一方、容疑を否認している。グエン容疑者と同じ実習先に勤める外国人は5〜6人おり、全員から事情を聴いたことも踏まえ、捜査本部は共犯はいないとみている。
逮捕容疑は8月24日午前3時10分ごろ、大里さん方で、殺意を持って、刃物のようなもので裕子さんの腹部などを刺し、重傷を負わせた疑い。功さんが胸や腹を約10カ所刺され殺害された事件についても、事情を知っているとみて捜査している。
捜査本部が現場に残された凶器とみられる包丁の入手ルートを調べたところ、事件前日の23日午後5時ごろ、町内のホームセンターで同様の包丁を購入した男が浮上。同店の防犯カメラの映像や聞き込み捜査などから、大里さん方から西へ約2キロ離れた外国人実習生寮に住むグエン容疑者と特定した。
■グエン容疑者 終始うつむく
県警の捜査本部は3日、グエン・ディン・ハイ容疑者を殺人未遂容疑で水戸地検に送致した。
グエン容疑者は午前11時57分ごろ、下妻署で移送車両に乗せられ、出発。庁舎の車庫のシャッターが開き、車が外に出てくると、後部座席の中央に座る短髪の頭が見えた。多くの報道陣が待ち構える中、グエン容疑者は終始うつむき加減で、その表情を見ることはできなかった。