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《連載:さらなる飛躍へ 守谷市長選を前に》まちづくり

地区の自治組織「みずき野地区まちづくり協議会」主導でオープンした店舗「みずき野ひろば」=守谷市みずき野
地区の自治組織「みずき野地区まちづくり協議会」主導でオープンした店舗「みずき野ひろば」=守谷市みずき野


任期満了に伴う守谷市長選は11月1日告示、同8日投開票で行われる。都内へ交通利便性が高く、全国においても「住みよいまち」として評価の高い同市。その課題と可能性を探った。

「住民の皆さんに気軽に来てもらい、語らいができる憩いの場をつくりたいと思ったのが最初。住民のたまり場になればうれしい」。空き店舗を活用し、守谷市みずき野地区に住民主導で7月に誕生した店舗「みずき野ひろば」のオープンイベントで、地区の自治組織「みずき野地区まちづくり協議会」会長の山下勝博さん(67)はあいさつした。店舗は、物販のほかカフェも併設し、地区内の店舗撤退によって買い物が不便になった住民の利便性を高め、地区のにぎわいづくりにつなげるもの。

みずき野地区は1980年代に民間により開発された市内でも古い住宅地の一つ。戸建て住宅が立ち並ぶきれいな街並みは住民たちの努力によって今も維持されているが、当時入居した住民は今や70代、80代が多数を占める。その子どもたちは地区外に転出することも多く、地区人口4848人(10月1日現在)のうち、65歳以上が46.6%と、市内の地区の中では最も高齢化が進んでいる。

市全体では人口が増加している同市だが、地区によっては人口規模や年齢構成などが大きく異なる。つくばエクスプレス守谷駅周辺など、子育て世代や新しい住民が移り住んでいる地域がある半面、古くからの地域、開発され年月がたつ住宅地などが混在している。

地区における課題はそれぞれ異なることから、将来にわたって活力ある地域社会を維持していく一つの方策として市は「地域主導のまちづくり」を掲げている。「まちづくり協議会」はその中心となる組織。町内会や学校、PTA、子ども会、消防団、シニアクラブ、NPO、事業者などさまざまな団体が連携し、各分野での協働を目指している。市内10地区のうち9地区で設立され、今年4月から本格始動した。みずき野ひろばは、みずき野地区まちづくり協議会が地域の課題解決へ動き、具現化した初めてのものといえる。

自治体財政は縮小し、行政サービスが多様化している今、まちづくりの全てを自治体が担うわけにはいかない。住民による住民のためのまちづくりができるか。それを行政がどう支えていくかが問われている。

任期満了に伴う守谷市長選は11月1日告示、同8日投開票で行われる。都内へ交通利便性が高く、全国においても「住みよいまち」として評価の高い同市。その課題と可能性を探った。

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