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【2021茨城県内10大ニュース】 (8) 大井川知事再選 コロナ対策、実績信任

知事選で再選が確実となり花束を贈られる大井川和彦氏=9月5日、水戸市笠原町、吉田雅宏撮影
知事選で再選が確実となり花束を贈られる大井川和彦氏=9月5日、水戸市笠原町、吉田雅宏撮影


任期満了に伴う茨城県知事選は9月5日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属の現職、大井川和彦氏(57)=自民、公明、国民民主推薦=が、無所属新人の元茨城大副学長、田中重博氏(74)=共産推薦=を大差で破り、2回目の当選を果たした。新型コロナウイルスが感染拡大する厳戒下で実施された異例の知事選は、大井川氏の1期4年の実績が県民から信任された形となった。

大井川氏は昨年12月、再選を目指し知事選に立候補の意向を示し、自民党県連に推薦を依頼した。自民が推薦を決めると、公明、国民民主も推薦を決定。県市長会や県町村会のほか、連合茨城、県農政連、県建設業協会など700を超える団体が次々と推薦を決め、保守分裂で三つどもえの激戦となった前回2017年と様相を異にした。

今回、大井川氏の得票数は60万票を超え、前回の49万7361票を上回った。投票率はコロナ禍の影響もあり、過去最低(01年の29.93%)の更新も懸念されたが、35.02%と30%を超えた。

コロナ禍で選挙戦は国の緊急事態宣言と県独自の非常事態宣言の発令下となり、両陣営とも選挙活動に制約を強いられた。

選挙戦で大井川氏は、感染拡大防止の観点から街頭演説を実施しない方針を示した。政策発信が難しい状況の中で、病床確保やワクチン接種加速などのコロナ対策強化や、「失敗を恐れず挑戦する県政」を合言葉に着手した企業誘致など、実績と継続を強調した。街宣車での遊説に加え、インターネットの会員制交流サイト(SNS)を積極的に活用し、有権者に訴えを届けた。

一方、「いのち輝くいばらきの会」が擁立した田中氏は、共産の推薦の下、コロナ対策の見直しや日本原子力発電東海第2原発の再稼働反対などを訴え、県政刷新を主張したものの、届かなかった。

大井川氏は、前回選挙で当時の現職の7選を阻んで初当選後、IT企業などで培った感覚を生かし、「挑戦」「スピード感」「選択と集中」を基本姿勢に県政刷新を進めた。1期4年のうちコロナ対応に約1年半を費やすこととなり、棚上げされた事業も多い。2期目も、コロナの新変異株や「第6波」襲来に備えた対応や、県内経済の再生に取り組みながら、「新しい茨城づくり」を加速させる意向だ。

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