球児挑む特別な夏 茨城県高校野球11日開幕 頑張る姿に期待
新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった、第102回全国高校野球選手権茨城大会に代わる「2020年夏季茨城県高校野球大会」(県高野連主催)が11日に開幕する。優勝しても、憧れの甲子園にはつながらず、開閉会式も行われない異例の大会。観客も一部の保護者らに限られるが、選手たちからは「代替大会開催に感謝し、全ての力を発揮できるよう頑張りたい」との声が聞こえる。開催決定にこぎ着けた県高野連の関係者は「これまでの頑張りを表現してほしい」と期待する。
○感染防止策
県高野連の対応は早かった。夏の甲子園中止を受ける前から、県高野連は独自大会の開催を模索した。3年生の区切りとなる大会を何とか実現しようと、開催を決断、6月9日に運営方法の詳細を決めた。県立高が通常登校を再開した次の日だった。
授業時間を確保した上での日程調整、休校による練習中断で懸念される選手たちのけがや熱中症への対策に加え、同ウイルス感染防止対策…。選手や関係者の移動を少なくし、運営に携わるスタッフの削減も必至だった。決めるべきことは多数に上ったが、一つ一つクリアしてきた。
大会を直前に控えた7日には、水戸市内の県高野連事務局に各球場の担当者らが集まった。運営の最終確認を行った上で、感染防止策として各球場に配置するため用意したアルコール消毒液やフェースシールド、非接触式電子温度計などの搬出作業を行った。
○保護者入場認める
日本高野連は各都道府県の代替大会について「無観客試合を原則」としている。本県は、控え部員と、保護者(部員1人につき2人まで)のスタンド入りを認め、試合と試合の間は少なくとも1時間空け、ベンチやスタンドの消毒を行うことにした。当初はブラスバンドの生徒たちの入場許可を望む声も上がったが、感染防止のため断念した。
保護者はIDカードで入場管理する。2メートル以上の間隔を空け、大声を出さず、拍手での応援を基本とし、メガホンや音の鳴る道具の持ち込みは禁止。開閉会式は行わず、試合前後の整列は出場9人に限り、試合後の校歌斉唱も実施しない。
県内強豪・常総学院の注目右腕、菊地竜雅投手(3年)は大会開催に感謝を示した上で、「高校野球は家族や友人、観客がいて、ブラスバンドの応援もあって、歓声が沸くのも醍醐味(だいごみ)。今まであった、それがないと思うとさみしい」と本音を漏らした。
○登録枠を撤廃
独自大会は、より多くの3年生の出場機会をつくろうと、従来20人のベンチ入り登録枠を撤廃したのも特徴の一つだ。人数に制限なく背番号のある部員全員が出場でき、試合ごとに出場選手の入れ替えも可能だ。県高野連は「3年生が区切りをつけるための大会」と位置付けるが、例年とは全く異なる運用に「3年生だけでメンバーを組むか、下級生を含めたベストメンバーで臨むか」と頭を悩ませる指導者もいる。
このほか、予備日は設けないため雨天などで試合が全て消化できない場合は、8月4日で打ち切られ、優勝校が複数となる。選手や指導者、役員関係者から感染者が出た場合、大会を打ち切る方針だ。
県高野連の榎戸努専務理事は「さまざまなハードルを乗り越え、やっとここまできた。100パーセントの形で最後を迎えられたらいい」と願いを込め、「これまでの成果、思いを球場で表現してほしい」と球児にエールを送る。
○感染防止策
県高野連の対応は早かった。夏の甲子園中止を受ける前から、県高野連は独自大会の開催を模索した。3年生の区切りとなる大会を何とか実現しようと、開催を決断、6月9日に運営方法の詳細を決めた。県立高が通常登校を再開した次の日だった。
授業時間を確保した上での日程調整、休校による練習中断で懸念される選手たちのけがや熱中症への対策に加え、同ウイルス感染防止対策…。選手や関係者の移動を少なくし、運営に携わるスタッフの削減も必至だった。決めるべきことは多数に上ったが、一つ一つクリアしてきた。
大会を直前に控えた7日には、水戸市内の県高野連事務局に各球場の担当者らが集まった。運営の最終確認を行った上で、感染防止策として各球場に配置するため用意したアルコール消毒液やフェースシールド、非接触式電子温度計などの搬出作業を行った。
○保護者入場認める
日本高野連は各都道府県の代替大会について「無観客試合を原則」としている。本県は、控え部員と、保護者(部員1人につき2人まで)のスタンド入りを認め、試合と試合の間は少なくとも1時間空け、ベンチやスタンドの消毒を行うことにした。当初はブラスバンドの生徒たちの入場許可を望む声も上がったが、感染防止のため断念した。
保護者はIDカードで入場管理する。2メートル以上の間隔を空け、大声を出さず、拍手での応援を基本とし、メガホンや音の鳴る道具の持ち込みは禁止。開閉会式は行わず、試合前後の整列は出場9人に限り、試合後の校歌斉唱も実施しない。
県内強豪・常総学院の注目右腕、菊地竜雅投手(3年)は大会開催に感謝を示した上で、「高校野球は家族や友人、観客がいて、ブラスバンドの応援もあって、歓声が沸くのも醍醐味(だいごみ)。今まであった、それがないと思うとさみしい」と本音を漏らした。
○登録枠を撤廃
独自大会は、より多くの3年生の出場機会をつくろうと、従来20人のベンチ入り登録枠を撤廃したのも特徴の一つだ。人数に制限なく背番号のある部員全員が出場でき、試合ごとに出場選手の入れ替えも可能だ。県高野連は「3年生が区切りをつけるための大会」と位置付けるが、例年とは全く異なる運用に「3年生だけでメンバーを組むか、下級生を含めたベストメンバーで臨むか」と頭を悩ませる指導者もいる。
このほか、予備日は設けないため雨天などで試合が全て消化できない場合は、8月4日で打ち切られ、優勝校が複数となる。選手や指導者、役員関係者から感染者が出た場合、大会を打ち切る方針だ。
県高野連の榎戸努専務理事は「さまざまなハードルを乗り越え、やっとここまできた。100パーセントの形で最後を迎えられたらいい」と願いを込め、「これまでの成果、思いを球場で表現してほしい」と球児にエールを送る。