【衆院選2021 茨城選挙区情勢】 (7) 7区 前職2氏の激戦確実
19日公示、31日投開票の衆院選は、立候補予想者による激しい前哨戦が繰り広げられている。茨城県内各選挙区では、前職7人を擁する自民に、立民、共産などの野党は一部で選挙協力を進めるなどして対抗する。県内7小選挙区の情勢を探った。
7区は15回目の当選を目指す立民前職の中村喜四郎氏に、過去5回、比例復活に甘んじた自民前職の永岡桂子氏と維新新人の水梨伸晃氏が挑む。無所属を約26年間貫いた中村氏が立民入りし、永岡氏とは6度目で初めて与野党対決の構図となる。過去3回、中村氏を支援した公明は今回、永岡氏を推薦した。激戦確実な情勢の中、大票田の古河市とともに、公明支持者の動向や立民と共闘体制を組んだ共産票の流れが注目される。
中村氏は、野党の立場から自民を直すとして「与野党伯仲」を主張。これまでに自身が提唱した投票率アップ署名活動を通じ、選挙区全域をくまなく訪問。有権者に耳を傾けながら、支持固めや拡大に努めた。
全幅の信頼を寄せる後援会「喜友会」は、直前まで徹底して組織の引き締めを図った。さらに選挙戦で共産や無党派層を取り込み、票の上乗せを狙う。
永岡氏は与野党対決を前面に押し出して、中村氏の保守系支持者を切り崩す考え。約3カ月間、公明の市議らと企業や支持者を数千軒回り、自公の協力体制をアピールしてきた。2019年の結城市長選を経て全て自民系となった選挙区内8首長と、中村系会派を抜けた4県議を含む8県議も全面支援。「絶対負けられない」と、悲願の小選挙区勝利を目指す。
水梨氏は教育費無償化や消費税減税を訴える。若さを武器に第三の選択肢として、特に子育て、現役世代の票の掘り起こしを図る構えだ。(おわり)