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《連載:全国高校野球茨城大会回顧》(下) 有力校、初戦で敗退

初戦で科技日立にサヨナラ負けを喫し、肩を落とす常総学院の選手たち=14日、日立市民
初戦で科技日立にサヨナラ負けを喫し、肩を落とす常総学院の選手たち=14日、日立市民


■目立った波乱や接戦 見応えある終盤の逆転劇

Aシードの水戸商や、過去16度の夏の甲子園大会出場を誇る常総学院などの有力校が初戦で敗れるなどの波乱が序盤から続いた。大会を通じて、終盤での逆転で試合が決まる接戦も目立ち、見応えのある好ゲームが多かった。

シード校とはいえ、1回戦を勝ち上がってきた相手との初戦はやりにくいもの。好投手の平山颯士(3年)を擁する春季県大会4強の水戸商は、四回にミスもあり3点を先制されると、茨城キリストのエースにわずか1安打に抑え込まれ、初戦で姿を消した。

6年ぶりの制覇に挑んだ常総学院も力を出し切れずに終わった。七回に勝ち越し、逃げ切るかと思われたが、科技日立に八回に追い付かれ、延長に突入。最後はサヨナラ打を浴び、創部以来初の初戦敗退となった。このほか、Dシードの水戸啓明も水戸桜ノ牧に逆転負けを喫した。

1、2回戦の好ゲームを挙げると、まずは取手二-水戸農。水戸農が4点リードで迎えた八回、4本の適時打などで一挙7点を奪い逆転。続く九回にも2点を加えて試合を決めた。取手二の終盤の集中打が光った。

石岡一-土浦湖北も面白かった。石岡一は1点を追う九回1死二、三塁から犠飛と適時打で逆転し、接戦を制した。

1回戦で土浦一に競り勝った東洋大牛久は2回戦でも勝負強さを発揮した。九回にいったんは取手一に4点リードを逆転されたが、その裏に追い付き、延長十三回タイブレークの末、サヨナラ勝ちした。

3回戦でも前評判が高かった有力校が続けて敗退した。エース田中元弥(同)を軸に初制覇を狙ったBシード常磐大高が牛久に屈した。延長十回の熱戦を制した牛久は8年ぶりの4回戦進出を果たした。昨秋の県大会準優勝の藤代は石岡一、Bシードつくば国際は江戸川学園に競り負けた。

ともにシード校の水城とつくば秀英は危なかったが、競り勝った。水城-岩瀬日大の試合時間は5時間4分にも及び、最長試合時間を更新した。つくば秀英は最終回に4点差をひっくり返した。

4回戦以降では、境の躍進が話題を呼んだ。中央に粘り勝ち、45年ぶりの8強入りを果たすと、続く準々決勝ではエース・横瀬侑作(同)が水城打線を完封し、初の4強に導いた。

竜ケ崎一が日立一に競り勝った伝統校対決や、霞ケ浦がAシードつくば秀英にサヨナラ勝ちした試合もファンをうならせた。

大会通算本塁打数は昨年の大会から8本増え、34本だった。全92試合のうち39試合がコールドゲームで実力差が顕著だった。両チームそれぞれの得点が3点以下の試合は12試合と少なく、今春の県大会に続き、「打高投低」の大会だった。



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