【23年統一地方選 茨城県取手市の課題】 (上) 《連載:23年統一地方選 茨城県取手市の課題》(上)駅西口再開発の成功が鍵
■中心地 魅力的空間に
茨城県の「南の玄関口」JR常磐線取手駅。同駅西口前周辺で行われている土地区画整理事業が最終段階を迎えている。駅前交通広場の整備が進み、中心となる「A街区」(約0・7ヘクタール)に再開発ビルを建設し、新しい駅前をつくり上げる。中心市街地を魅力ある空間とし、活気を生み出すことで、市全体の活性化につなげる狙いがある。
交通広場は現在、市が整備を進め、2024年3月の完成を予定している。以前の同広場は、通過する車両と送迎目的の車両が交差し、朝夕の通勤時間帯の混雑が続いてきたが、整備によりこれらを解消させる。
新交通広場は、ラウンドアバウト(環状交差点)型が特徴。3方向からの通過車両と駅に向かう車両のルートを分け、安全性の向上を図る。エレベーターは1基から2基に増やされ、駅へのルートがバリアフリー化される。
■共存共栄
「A街区」再開発は、地権者らでつくる準備組合が19年に設立され、事業協力者「大京・戸田建設共同事業体」の提案を基に、市を含めた3者で計画の検討を進めている。市は事業を支援し「まちの顔」となるエリアを誕生させる。
計画ではマンションなどが入る高層ビル、公共・商業施設などが入る低層ビルを整備し、駅や各施設を歩行空間で結ぶ。早ければ23年秋ごろに都市計画決定、24年度に再開発組合が設立される。25~26年度に着工し、27年度の再開発ビルの完成を目指している。
ただ、西口には「取手とうきゅう」が撤退した「リボンとりで」、駅直結の商業施設「アトレ取手」がある。特にリボンとりでは市の再開発事業で整備された大型ビルで、1~5階に食品スーパーやパチンコ店、市役所窓口などが入るが、6~8階は使用されていない。50代の会社員は「駅前に新しくできる施設には期待しているが、リボンとりではこのままでいいのか」と心配する。既存商業施設との共存共栄ができるかが重要となる。
■30年の歳月
取手駅北土地区画整理事業(約6・5ヘクタール)は1993年に開始。その後、事業期間の延長を繰り返してきた。ABC街区と北部西部地区それぞれのエリアで土地利用を図ってきた。2014年にC街区に民間医療モールと市の立体駐輪場、15年にはB街区に取手ウェルネスプラザができた。
そして今、最後のA街区が整備される。地権者、事業協力者、市の3者で検討を進めているが、公共施設は何を整備するのか、どのようなテナントを誘致するのか、まだ不透明だ。総事業費は既に約214億円に膨らんでいる。「再開発をきっかけに、効果を市全体に波及させる」という市の構想は実現し、活気を生み出せるのか。成功の鍵は、最後の街区の整備にかかっている。
16日告示、23日投開票で行われる取手市長選を前に、市の現状と課題を探った。











