【23年統一地方選 茨城県取手市の課題】 (下) 《連載:23年統一地方選 茨城県取手市の課題》(下)商業施設核に求心力担う
■新しい街創出に期待
茨城県取手市内を通る国道6号と取手環状線(都市計画道路3・4・3号上新町環状線)が交差する桑原地区。地権者、事業協力者、市の3者が協力し、同所約67ヘクタールの土地区画整理事業が現在進められている。事業協力者は「イオンモール・イオンタウン共同事業体」。大規模商業施設を核とした新しい街をつくり上げる。土地を市街化区域に編入し、大規模商業施設だけでなく多目的に活用して新市街地を創出する。
地権者検討会が2015年に発足。17年にイオンが事業協力者に選ばれ、19年に準備組合が設立された。当初のスケジュールは、社会情勢の変化などを受けて約1年遅れている。現在は23年度中の都市計画決定、24年度以降に本組合設立、25年度に着工、26年度に商業施設開業という日程で進められている。
■「5ゾーン」
街づくりのテーマは「新たな取手の『求心力』を担う活力創造拠点づくり」。ショッピングモールだけでなく、来訪者が一日遊べくつろげる空間を地区全体で構成する構想だ。
全体をA~Eの五つのゾーンに分け、それぞれが特長を持つ。ゾーンAは、既存の公共施設の警察署や消防署があり、隣接する病院、既存の農産物直売所を生かす。ゾーンBは、低層型など各種物販専門店などが建ち並ぶエリアとする。ゾーンCは核となる大規模商業街区となり、イオンのショッピングモールが建設される。
ゾーンDは、ショッピングモールと連続した商業エリアで、緑豊かな中にレストランなどの「食と憩いの場」を創出する。また、自然を生かした緑・親水ゾーンを配置し、「憩いと交流」をテーマにスポーツ、アウトドアなどのレジャー空間を生み出す。ゾーンEは、地区に接する鉄道や住宅街に配慮し、業務系施設などを誘致する。
■推進を確認
事業に対しては地権者約170人の大部分が賛同している。昨年10月には、地権者を対象にした懇談会が開かれ、地権者、事業協力者、市の3者で事業推進を確認した。地権者の一人は「自分の土地がうまく活用され、市にもにぎわいが出てくれればいい」と期待を込めた。
市民の間ではショッピングモール誕生を期待する声も多い。20代の男性は「買い物は柏(千葉県柏市)や都内に行くことが多いが、市内にイオンができれば近くて便利だし利用したい。レイクタウン(埼玉県越谷市)みたいになるのか、できるのが楽しみ」と想像を巡らせた。
新しい街を誕生させるために、広大な農地の利用や既存の施設の活用、地区の自然をうまく生かす方法が問われている。同時に進められているJR取手駅西口前周辺の再開発と合わせた二大事業の行方が、取手市の将来を形づくることになる。











