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【23年統一地方選 茨城県五霞町の課題】 (上) 《連載:23年統一地方選 茨城県五霞町の課題》(上)人口減、将来像に影

区域指定制度の導入で手前の更地に住宅建設が期待される市街化調整区域=五霞町川妻
区域指定制度の導入で手前の更地に住宅建設が期待される市街化調整区域=五霞町川妻


■定住促進へ立地条件緩和
茨城県内で最も人口の少ない五霞町。3月1日現在の町人口は8099人で、町が2015年に行った試算では、32年には7千人を、39年には6千人を切ると予測されている。人口減少は多くの自治体に共通する悩みだが、同町の規模で年間130人が減る現状は将来像に暗い影を落とす。

■子育て世代
「子育て世代が増えてほしい」。町内で9歳の長男と7歳の双子姉妹を育てる吉田詩織さん(35)が、町の将来像を描いた時、一番に望むことだ。吉田さんも夫も同町出身。職場に近い都心で暮らしてきた2人だが、子育てを手伝ってもらえる環境や、車(圏央道五霞IC利用)でも鉄道(最寄り駅まで車で約10分)でも都心にアクセスしやすい条件などを決め手に約4年前、故郷に戻った。「五霞の良さは小さい町ならではの人情の温かさ。川と緑に囲まれた自然豊かな場所で子育てができる点にも魅力を感じた」。一方、減り続ける人口は子どもたちの教育環境を考えた時、不安材料だという。

町は来年4月、少子高齢化を背景に小学校を統合し、小中一貫教育を進める予定だ。町内の小学校2校は現在、ほぼ1学年1学級の状態で、統合後は2学級となるが近い将来、再び1学級になると予想されている。「子育て世代が増えれば同級生も増える。子どもには多様な価値観の中で学ばせたい」と吉田さんは本音を語った。

■区域指定
人口減は教育環境はもちろん、町の活気や集落の維持にも直結する。こうした状況を、町も手をこまねいて見ているわけではない。移住や定住を促そうと、主に農地に使われてきた市街化調整区域内で立地条件の一部を緩和し、住宅や小規模な店舗などが建てられる「区域指定制度」を3月30日付で導入した。既存集落の維持・保全が目的で、指定区域内であれば、出身などの要件を問われることなく、住宅などの建築を目的とした開発許可を受けることが可能になった。

町全体に広がる市街化調整区域は2046ヘクタール。このうち約25%が同制度の導入により立地条件が緩和され、既存住宅の改築も可能となる。空き家を賃貸住宅として貸すことも可能だ。町まちづくり戦略課の担当者は「これまでは移住を促進したくても住宅地がなかった。今後はソフト面の施策も強化していく」と述べ、移住サイトへの動画掲載やパンフレット作成など情報発信に努めていく考えだ。

期待が高まる区域指定制度の導入だが、待ち受ける課題は大きい。住みよい町には衣食住の充実が欠かせない。町の面積の1割強を占める市街化区域は現在、工場や住宅地で占められている。町は「道の駅ごか」の改装、五霞IC周辺開発や新たな開発地事業の推進などを計画するが、住民の望む商業施設の誘致につながるか期待がかかる。

18日告示、23日投開票で行われる五霞町長選を前に町の課題と今後の方向性を追った。



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