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【23年統一地方選 茨城県五霞町の課題】 (下) 《連載:23年統一地方選 茨城県五霞町の課題》(下)水道料金負担大きく

毎年巨額の穴埋めが必要な水道事業。写真は川妻浄水場=五霞町川妻
毎年巨額の穴埋めが必要な水道事業。写真は川妻浄水場=五霞町川妻


■県境越えた広域化も模索
「隣接する埼玉県と比べて、五霞町の水道料金は高い」。声を大にして訴えるのは、結婚を機に町に引っ越してきた50代の女性だ。

水道管の口径20ミリで20立方メートルを使用した場合の料金は4100円(税抜き)。茨城県内では平均的な価格だが、同基準で埼玉県幸手市が1200円、久喜市が1914円と価格差は歴然としている。同町は利根川右岸の埼玉県側に位置し、生活圏では同県とのつながりも強く、水道料金の高さを指摘する住民は多い。

■毎年5億円支出
利根川、江戸川、中川、権現堂川の4河川に周囲を囲まれている五霞町。町の水道事業は、利根川の表流水を取水して浄水処理した水と埼玉県行田浄水場から受水した水を配水池にいったん蓄え、配水ポンプで町内各地に供給している。

4河川に囲まれている地理的特性などの条件から、上下水道施設に加え、町内に4カ所ある農業集落排水施設なども単独経営を余儀なくされ、町の一般会計を圧迫。料金収入だけでは賄えず、一般会計から毎年平均5億円の赤字補塡(ほてん)を行っている。人口減少で収入増は見込めない。加えて、施設の老朽化に伴う更新費用がかさむことも予想されている。

■国も後押し
こうした中、注目を集めているのが水道事業の広域化だ。全国の各自治体でも下水道施設の老朽化、技術職員の減少や使用料収入の減少といったさまざまな課題を抱えており、従来通りの事業運営では持続的な事業の執行が困難になりつつあることから、国でも水道事業の広域化を後押ししている。2018年の法改正では、市町村間の連携に加え、県境を越えた連携も可能となった。

一方、茨城県でも22年2月に「茨城県水道ビジョン」を策定し、水道事業が抱える課題の解消に向けて、広域連携の取り組みを進めている。県内を四つの圏域に分けて整備を進め、50年をめどに1県1水道を目標に掲げた。

■新たな費用も
水道事業を巡っては新たな懸念もある。24年度末までに完成が予定されている利根川水系上流の南摩ダム(栃木県鹿沼市)だ。同町水道事業は暫定水利権により南摩ダムの水源開発費を負担しておらず、完成後の安定水利権取得以降、水源開発費負担の発生に伴い、給水原価が大幅に上昇することが見込まれている。単独経営が維持されるなら、さらなる赤字補塡が予想され、水道料金の値上げは必須と思われる。

町は次世代の負担軽減に向け、水道事業の県を超えた広域化の可能性も探りつつ、最善策を模索している。



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