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【ありがとう橋幸夫さん いばらきとの縁】 (上) 《連載:ありがとう橋幸夫さん いばらきとの縁》(上) 日立・吉田正記念館

歌声喫茶で吉田メロディーや橋幸夫さんの曲を演奏する「記念館ファイブ」のメンバー=日立市宮田町
歌声喫茶で吉田メロディーや橋幸夫さんの曲を演奏する「記念館ファイブ」のメンバー=日立市宮田町


吉田正さんとの関わり、水戸の盆踊り出演、「潮来笠」でのデビューとヒットなど、茨城県との縁が深かった橋幸夫さん。県民や関係者の思い出とともに、足跡を振り返る。

■名誉館長の思い継承 所属音楽家 演奏で恩返し

今月4日、82歳で死去した歌手の橋幸夫さんは、名誉館長を務めた茨城県日立市宮田町の吉田正音楽記念館によく立ち寄り、スタッフや来場者とのひとときを楽しんだ。同館には音楽家6人が所属しており、5人当時からの愛称「記念館ファイブ」は橋さんが名付け親。併設のカフェで演奏会や歌声喫茶を開くほか、地域の学校や公民館にも出張。「音楽の素晴らしさ」を広めた吉田さんや橋さんの思いを受け継いでいる。

10日午後、同館5階のカフェで、市民ら約50人が集う「歌声喫茶」が開かれた。演奏したのは、同館に勤務する大高悟さん(34)、高橋拓美さん(27)ら管弦楽器やピアノ、三味線などの音楽家4人。記念館ファイブのメンバーで、いずれも市が演奏経験者の条件で常駐スタッフとして採用している。

参加者は冒頭、橋さんをしのぼうと、黙とうを捧げた後、メンバーの伴奏で「いつでも夢を」「恋をするなら」といった昭和歌謡や吉田メロディー、橋さんの代表曲を含め約20曲を声高らかに歌い上げた。参加した同市の斉藤幸信さん(70)はファンクラブに入会し、コンサートに通う大の橋ファン。「歌のうまさ、かっこよさが好きだった。亡くなって寂しいね」と惜しんだ。

同館は吉田さん死後の2004年に開館。吉田門下生の橋さんは、12年から名誉館長に就任した。師匠の命日には市内の寺院への墓参を欠かさず、そのたびに同館に立ち寄った。21年、吉田さんの生誕100年コンサートで顔を合わせた同館所属の音楽家を記念館ファイブと名付けた。

橋さんが来館した際はメンバーとの交流もあった。トランペット担当の大高さんは「気さくで誰でも話しかけてくれる。私の結婚式にはビデオレターを届けてくれ、感激した」と温かい人柄を懐かしんだ。

メンバーは市民に音楽の楽しさを広めようと活動を展開。歌声喫茶は年2回、同館で開くほか、市内の公民館にも毎月出前して演奏する。新型コロナウイルスの感染拡大の際はユーチューブでも配信した。

大高さんは、吉田さんが橋さんに伝えたという「うまく歌おうとするな」という言葉を胸に、演奏でも「純粋な気持ちでお客さんが楽しめるようにしている。心から楽しめる時間になってくれれば」と思いを込める。チェロ担当の五十嵐千穂さんも、吉田さん、橋さんについて「ファンを大事にするのは、音楽をする上で共通している。学んだことを日立で恩返ししたい」と意欲を語った。



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