《連載:2026 茨城・まちを守る力 国際女性デー》(中) 水戸の消防士 石井茉那さん 女性対応や気配り強み 言葉遣い細心の注意
「女性の急病などへの対応、言葉遣いへの気配りが強み」。地元の茨城県水戸市で消防士となり8年目の28歳。火災・事故現場に駆け付け、救急救命士資格を生かしてけがや病気の応急処置に当たり、市民の命を守る。
水戸市消防局の消防吏員は342人(2025年4月時点)。女性は8人で、うち隊員として出動するのは4人だ。入局前は体育会系で男性中心のイメージがあり、体力面でついていけるか不安だったが、消防学校の休み時間に筋トレに励むことで解消したという。
消防士を志したきっかけは、16年4月の熊本地震。自宅に取り残されたわが子を案じ、泣き叫ぶ母の姿がテレビで報じられた。それが頭から離れず「何かあった時、現場へ助けに行ける立場でありたい」と思うようになった。
現在、24時間ごとの2交代制で北消防署に勤務。消防隊や救急隊の一員として出動要請に応じる。市民に女性隊員の存在を驚かれることがあるが、肌を目視してけがの状態を確認する場面も多く「女性がいて良かった」と言われることもある。
「119番通報は勇気がいるし、一生に一度あるかないか。嫌な思いをしてほしくない」と、言葉遣いには細心の注意を払う。病状を確認する時の声かけは「何で呼んだんですか」ではなく「どうして呼んでくれたんですか」と、安心して頼ってもらえるように工夫する。
女性だからといって特別扱いはされない。消火活動で重い放水ホースを持つこともあるが「罹災(りさい)者や自分たちの安全のために、できる時はできる、できない時はできないと伝える」。周りの男性隊員は必要以上に手伝うわけではなく、信頼して任せてくれるという。
水戸市消防局で初の女性救急隊長を目指す。災害現場の経験はまだない。現場で活動する消防士の姿を見て「自分だったらどう動くかイメージしている。現場が普段と変わっても、日々の積み重ねを生かす」。りりしい表情を見せた。











