県勢初、創作劇で勝負 演劇部門・日立一高演劇部

さまざまな音響が行き交い、照明に浮かび上がる舞台。そうした「仮想現実空間」を、生身の人間がつくり出すのが演劇だ。
高校演劇では、その世界では有名な脚本を使うことも多い。一方、日立一高は磯前千春部長がオリジナルを書き上げた。その作品「白紙提出」は、昨年12月に行われた関東大会で、県勢としては12年ぶりに1位通過。創作劇では県勢初の快挙で、全国総文祭の切符を手に入れた。
部員は女子7人、男子2人の計9人。それに舞台装置などを手掛ける、裏方のスタッフが7人。音響や照明が設置されている旧食堂が稽古場。柔軟運動から発声練習、読み合わせと続く。公演が近くなれば、さらに場面・通し・舞台稽古と、本番への形を整えていく。豊田郁央顧問(56)は「生徒一人一人が持つ素晴らしい能力を発揮でき、意見を言い合うことのできる場」と、その持ち味を語る。
演劇は8月1〜3日、仙台市の仙台銀行ホール・イズミティ21で行われる。
■部長ひとこと 観客楽しませたい 磯前千春さん3年
仲がいいけど、べたべたはしていません。先輩後輩、役者・スタッフ同士、同じ演劇人として信頼関係があります。本番では観客に「見に来てよかった」と心から思ってもらうこと。併せて自分たちも楽しめれば。そうすれば結果は後からついてくると思います。
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全国の高校文化部が、部活の成果を競い合い、発表し合う「全国高等学校総合文化祭」。41回目を迎える今年は、31日から8月4日までの5日間、宮城県仙台市を中心に同県内の10市町で行われる。勝敗を競う囲碁や、作品を展示する美術・工芸など23部門に、全国の高校生が集う文化部最大の祭典。本県から出場する文化部の活動を紹介する。