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【決戦茨城 ’22参院選】 (中) 《連載:決戦茨城 ’22参院選》(中) 立民・国民・連合 3者結束、足場固め

決起集会で立候補への思いを語る堂込麻紀子氏(左)=10日、水戸市内
決起集会で立候補への思いを語る堂込麻紀子氏(左)=10日、水戸市内


■「労働界の議席」堅持へ

「安心して働き続けられる社会を実現するため、働く仲間、生活者の声を一つ一つ丁寧に聞き、国政に届けていく。そんな役目を担いたい」

水戸市内で10日に開かれた決起集会。集まった労働組合や政党関係者ら約千人を前に、連合茨城が「無所属」で擁立した新人の堂込麻紀子氏(46)が思いを語ると、ひときわ大きな拍手が沸いた。

傍らでは、今期限りで引退する立憲民主党の郡司彰氏が見守る。24年にわたり、連合茨城の組織内議員として守ってきた「労働界の議席」を後継に託す視線だ。

壇上では、推薦を決めた立民、国民民主両党県連の幹部らも顔をそろえる。連合茨城の内山裕会長は全国で野党連携が進んでいないことに触れながら、両党へ感謝の思いを伝えた。

「この茨城で、2党1団体の枠組みが整ったことは大きな意義がある」

■曲折経て統一

ここまでの道のりは、平坦(へいたん)ではなかった。

両党県連は昨年末から今年始めにかけ、それぞれ独自候補の擁立へ向け候補者を公募。最終的には立民が5人、国民が2人の応募を受け付け、それぞれ選考委員会による候補者の絞り込みを進めていた。

両党最大の支援団体となる連合茨城が、統一候補擁立に動いたのはこうした中だった。「野党がばらばらでは議席は取れない」。危機感を募らせていた。

1月に組織内候補の擁立検討を本格化し、傘下の主要11産業別労組に擁立の検討を求めた。堂込氏の擁立方針が固まると、両党県連にも3者での協議を提案してきた。

ただ、堂込氏が所属する産業別労組「UAゼンセン」の組織内議員が参院比例では国民所属であることなどから、立民県連内では議論が割れ、3者による調整は難航。立民党本部が調整に乗り出すなど曲折を経て、ようやく一本化でまとまったのは、4月半ばを過ぎていた。

■目標は40万票

「小異を捨て、大同につく。ぎりぎりの段階となったが、こういう形が整ったことは素晴らしい」

5月半ば、労組関係者を集めた会合で、立民の中村喜四郎氏は堂込氏への支援を強調した。同下旬には国民の玉木雄一郎代表も応援のため茨城県を訪れ、党公認と同水準での支援を約束。両党の県選出国会議員も、各選挙区ごとの支援まわりを重ねる。

それでも、陣営は無所属としての立ち位置を「不利な条件」と捉える。連合茨城が目標として掲げるのは40万票。政党の肩書がない中で、両党の支持層からどれだけ票を集められるかは不透明で、知名度アップは大きな課題だ。

連合茨城加盟の組合員は約13万5千人。「まずは、組合員一人一人に名前を浸透させる。そこから家族や友人などへ支援を広げ、さらなる上積みを進めることが重要だ」。内山会長は組織内の足場固めを急ぐ。

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