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【昇り龍 水戸J1昇格】 (下) 《昇り龍 水戸J1昇格》(下) 最高峰舞台、期待と課題

J2優勝のシャーレを掲げて喜ぶ水戸の選手やスタッフら=11月29日、ケーズデンキスタジアム水戸
J2優勝のシャーレを掲げて喜ぶ水戸の選手やスタッフら=11月29日、ケーズデンキスタジアム水戸
Jリーグプレシーズンマッチ・水戸-鹿島 前半26分、シュートを放つ水戸・久保(左)=2月1日、ケーズデンキスタジアム水戸
Jリーグプレシーズンマッチ・水戸-鹿島 前半26分、シュートを放つ水戸・久保(左)=2月1日、ケーズデンキスタジアム水戸


■堅守軸に補強も注目

ついに「J1水戸」が誕生する。初めて足を踏み入れる国内最高峰の舞台。言うまでもなく、経験したことのない熾烈(しれつ)な争いが待っている。

チームが今季、開幕前に掲げた短期目標は「4試合で勝ち点7」。J1プレーオフ(PO)圏内の6位以上を目指すために現実的な数値設定だった。第3クールで初めて達成すると、以降は8連勝を含む15試合負けなしで一気に首位に立った。7月12日の第23節富山戦での勝利後、現フットボールダイレクター(FD)の森直樹監督は「自動昇格を狙える」と目標を上方修正。その後も勝ち点を積み上げるペースとして開幕前に掲げた短期目標は崩さず、悲願を達成した。

敗戦後の「リバウンドメンタリティー」も見事で、連敗を喫したのは最終盤の1度のみ。開幕前に長期目標として掲げていた「1試合平均失点を0点台」や「クリーンシート(無失点試合)15試合」も見事に達成。最終節での逆転優勝という劇的な幕切れが待っていた。

ただ、J1で求められる水準はさらに厳しい。今季のJ1残留ラインは勝ち点43。今季同様に全38節と仮定すれば、来季の目標は「4試合で勝ち点5」が最低水準となりそうだ。水戸が構築してきた堅守を軸としながら、個の力で局面を打開する存在も必要になる。史上初めて外国籍選手不在でJ1昇格を決めたクラブにとって、今オフの補強には注目が集まる。

J2優勝と最高の形でJ1昇格を決めたが、浮かれてばかりはいられない。今季は7位以下のクラブに対し、18勝9分け1敗と圧倒的な強さを示した一方、J1昇格プレーオフ圏の6位以内に入った長崎、千葉、徳島、磐田、大宮に2勝1分け7敗と苦戦した。いわば〝J1級〟の強豪を前に苦手意識が抜け切れなかった。あるクラブOBは「J1昇格は素晴らしいことだが、J1で戦い続けることの方が大変」と懸念する。

幸いにも、来年2月に開幕する「百年構想リーグ」には昇降格がない。約5カ月間の〝移行期間〟でチームをJ1仕様に仕立てたい。主力としてけん引した飯田貴敬は「来季はもっと厳しい相手が待っているので、危機感がある。優勝したからOK、では必ず苦しむ。自覚を持ってオフを過ごしたい」と強調する。

8日にはクラブOBで新指揮官となる樹森大介監督の就任が発表された。クラブ一体となり、国内最高峰リーグへ歩みを進めていく。



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