《連載:茨城・飛躍 2025》(5) サクソフォン奏者 北島勇人さん(29)
■豊かな音色「楽しんで」
力みのない息継ぎと滑らかな指使いでサクソフォンを自在に操り、感情豊かな音色を響かせる。「お客さんに楽しんでもらいたいし、自分も楽しみたい」と笑顔を見せる。
昨年は飛躍の1年になった。第10回ナゴヤサクソフォンコンクールの一般アマチュア部門で1位、茨城県芸術祭「県民コンサートⅠ」で特賞に輝いた。受賞は演奏家として「自信につながった」。
木管楽器に分類されるサクソフォンは、吹奏楽やジャズなど幅広いジャンルで使われる。出合いは中学1年。吹奏楽部に入る際に選んだ楽器だった。理由は「見た目がかっこよかったから」。実際に吹いてみて、つややかで温かみのある音の魅力にどんどん引き込まれた。
以来十数年、教諭となった今も同県古河市を拠点に活動。平日は自宅で、土日は県内外の施設で練習に励む。2カ月に1度、東京都内にもレッスンに通い、クラシック曲をメインに技術を磨く。
発表場所は幅広い。代表を務める音楽ユニット「アンサンブル・アプリシエイト」による演奏会をはじめ、商業施設ではアニメ曲なども披露する。「お客さんとの距離が近く、すぐに反応が返ってくる。ありがたい」と話す。
2月には茨城県古河市内でアプリシエイト主催の特別公演を開き、ピアノやクラリネット奏者とのアンサンブルを予定する。「サクソフォンに夢中なのはずっと変わらない。音楽性を深め、向上心を持って演奏レベルを高めたい」と決意を語った。(おわり)
■きたじま・はやと
1995年茨城県古河市生まれ。茨城大卒。県立境特別支援学校教諭。同市が拠点のアンサンブル・アプリシエイト代表