《連載:2026衆院選・茨城 課題を追う》(1) 物価高 続く値上がりに悲鳴 節約限界「もう削れない」
衆院選の投開票日(2月8日)が1週間後に迫る。茨城県内でも物価高騰や外国人との共生、人手不足など課題が山積している。
「わが家の食卓にコメは欠かせない」
水戸市内の食品スーパー。商品棚に並ぶコメを見比べ、同市、接客業、藤沢ななさん(50)はため息をつく。家族16人の大所帯。食べ盛りの子どもたちがいて週1回はコメを購入する。一度に炊く量は1升。節約のため麦やキャベツでかさ増しして工夫するが、「やっぱりそのまま食べさせてあげたい」とこぼす。
同じく買い物に訪れたパート、清水見和子さん(52)も「主食のコメが何よりも高い。麺類を主食に選ぶ回数が増えた」と明かす。衆院選で多くの党が掲げる消費税減税に「(税率が)一時的にでも下がれば、取りあえず満足」と期待するものの、減税分は「どこかで帳尻を合わせないと」と冷静に受け止める。
コメをはじめとする食料品の価格高騰が続き、家計を圧迫している。
2024年夏に始まった「令和のコメ騒動」で、政府は昨年2月、備蓄米の放出を決めた。当時、県内の小売店には22年産米が並び、安価なコメを買い求める客の姿が目立った。
備蓄米の放出後、全国の小売店で販売されたコメ5キロの平均価格は3000円台まで下がった。しかし効果は一時的で、新米が流通し始めてからも5キロ4000円台と高値が続く。
帝国データバンクの調査によると、昨年1年間に値上がりした飲食料品は計2万609品目に上り、24年比で約6割増えた。月に1000品目ほどの値上がりが続き、それが常態化した1年だった。
さらに今年1~4月には計3593品目が値上がりするという。冷凍食品やコメ製品、マヨネーズなどの鶏卵製品、酒類…。幅広い商品の値上げが既に決まっている。要因は9割が「原材料高」だが、物流費や人件費といったサービスコストに起因する動きも強まっていくとされる。
物価上昇に対し、賃上げが追い付かない。
厚生労働省の毎月勤労統計調査(25年11月)によると、物価の変動を考慮した1人当たりの実質賃金は前年同月比2.8%減で、マイナスは11カ月連続。一方、名目賃金に当たる現金給与総額は47カ月連続のプラスだった。
各家庭での節約は限界を迎えている。年金と賃貸の家賃収入で暮らす同市の加藤とも子さん(79)は食費のほか、毎月の通院でかかる薬代が高くなったと感じ、「医療費を抑えてほしい」と望む。
3人の娘を育てる30代の女性は「食事は健康につながるから、病院代にしわ寄せが来ると思うと食費は削れない」と頭を悩ませる。「政治家と国民との感覚にずれがあるから、何回選挙をやっても変わらない」と諦め顔だが、「子どもたちが大きくなった時、笑顔で暮らせる社会になっていてほしい」と願う。










