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江戸崎総合・赤井主将 仲間に感謝「やり切った」 自信喪失乗り越え奮闘

2回戦のマウンドに立ち、チームを引っ張った江戸崎総合の赤井怜徒主将=ひたちなか市民
2回戦のマウンドに立ち、チームを引っ張った江戸崎総合の赤井怜徒主将=ひたちなか市民


「2020年夏季茨城県高校野球大会」は4日間の日程を終え、既に52チームが敗れ去った。力を出し切った選手もいれば、悔いが残った選手も。江戸崎総合・赤井怜徒(れんと)主将(3年)は「やり切った」と答えた。

19日のひたちなか市民第2試合。取手一に2点をリードされて迎えた八回裏2死満塁、マウンドを守り続けてきた赤井は窮地を迎えた。ここで打たれては逆転の機会は遠のく。相手5番打者に集中し、見事に三振に仕留め、最後の攻撃へと流れをつくった。だが、願いは届かず。夏が終わった。額に汗をびっしり浮かべ、左腕で涙を拭った。

昨夏の大会後、新チームの主将を任されたが、練習に参加できない日が続いた。左肩の脱臼が原因だった。

1年の練習試合で脱臼し、救急車で運ばれた。その後、脱臼は癖になった。医師からは「すぐに手術を」と言われた。

手術をすれば野球がしばらくできなくなる。医師に頼み込み、肩回りの筋肉を鍛える筋力トレーニングを習った。部活動中も、自宅でも空いている時間は続けた。

しかし、昨年11月、主将を続ける自信を失っていた。練習のきつさと心労で入部時と比べ体重は14キロ減っていた。ミーティングで、皆の意見がしばしば割れた。

「まとめられない自分が悪い。自分には無理だ」。相良真博監督(35)に伝えた。指揮官は3年生が持ち回りで主将を務め、冬休み明けに投票で選び直すことを提案した。人一倍頑張る赤井の姿を見ていた監督は、皆が赤井を選ぶと考えていた。目に見える形で自信を持たせたかった。全員が赤井に投票した。主将の難しさや頑張りを知ったチームメートは、赤井に信頼を一層寄せるようになった。

最後の夏が終わった。「みんなにはありがとうと言いたい。最後は強い取手一と良い試合ができた」と振り返った。卒業後も野球に関わりたいと思っている。「野球人生を続けていきたい」と声を弾ませた。



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