【常総学院復活の春】 (5) チームまとめた田辺主将

関東大会決勝、惜しくも敗れたが、五回表終了後の0-5から一時は逆転する粘りを見せた。島田直也監督(50)は試合後、「チーム力が上がっているのを感じる」とうなずいた。チームをまとめ上げ、関東大会準優勝に導いた立役者の一人は主将の田辺広大(2年)だ。
部員間の投票で主将に選出された。当初は「どうしていいか分からなくて戸惑った」。ただ、チームへの思いは誰よりも強かった。準決勝で敗れた県南選抜大会の後から「野球ノート」を付け始めた。日々の練習で気付いたことや監督からの助言を書き留め、チームづくりに生かしてきた。
県大会は攻守にほころびが生じ、準優勝。大会後、改めてこれまでの練習を見つめ直した。「仲がいいのはいいことだけど、周りに甘いままだと上達しない」と考え、仲間同士で「互いの改善点を見つけて、指摘し合えるようにしよう」と呼び掛けた。「主将として背中で引っ張れるように」と率先して実行する姿に周りも付いてきた。
ノック練習では全員が一球一球の行方を追い、指示や助言が飛び交う。その姿勢は試合にも表れており、守備では相手の打球が飛ぶごとに味方の声が聞こえた。「全員で同じ方向を向けていると感じる」と田辺。島田監督も「田辺がよく頑張ってまとめてくれている」と目を細める。
練習や試合を積み重ね、団結を強固にしたチームの次の舞台は、3月のセンバツだ。目標は「日本一」。照準は既に定まっている。 (おわり)