《連載:茨城県議選 県政の課題》(1) 家計も企業も三重苦 物価高、支援求める声

多くの食品が値上がりする中、価格や内容量を確かめる買い物客=水戸市内のスーパー
多くの食品が値上がりする中、価格や内容量を確かめる買い物客=水戸市内のスーパー
茨城県議選の投開票(11日)まで1週間を切った。県内では新型コロナウイルス禍が続く中、物価高騰の影響や人口減少、地域振興策など課題が山積している。

水戸市内の食品スーパーで主婦、勝田春江さん(85)は商品をじっと見比べた。「最近は価格だけでなく、内容量も確認するようになった」と語る。

価格はそのままでも、内容量が減る「実質値上げ」に出合うことが増えた。生活必需品全般の値上がりに「年金生活は圧迫される一方」と肩を落とす。

買い物メモを手に商品棚を見る主婦、菊地恭子さんは「食べるものは決まっている。値上がりを受け入れるしかない」と諦めた様子。小学生や大学生の子もいるため、「電気代の値上がりで家賃など仕送りが大変。税金の軽減とか何か支援がないかしら」とため息をついた。

家計では、食品がことごとく値上がりし、電気代などエネルギー代も高騰、賃金は伸びないままという三重苦に疲弊する。

家庭だけではない。企業の苦境も続く。

納豆メーカー、笹沼五郎商店(水戸市)の笹沼寛社長は厳しい表情で語る。「大豆や容器をはじめ、商品を構成するほぼ全てのコストが上がっている」

仕入れる大豆の約3割は外国産。農林水産省によると、今年の外国産大豆価格(遺伝子組み換えでない)は、60キロ当たり8460円と昨年から約23%増えた。近年は、ロシアによるウクライナ侵攻や中国での需要拡大に、円安の影響が加わり、上昇傾向が続く。

10月の水戸市消費者物価指数(2020年=100、生鮮食品を除く)は、前年同月比4・3%増の104・1。前年比の上昇は14カ月連続している。国内企業物価指数は過去最高を更新。前年比の上昇は20カ月連続だ。

10月、茨城県の最低賃金は過去最大の時給32円引き上げで911円となった。

企業側にとっては、エネルギー価格の高騰に加え、歴史的な円安、最低賃金の引き上げによる人件費の増加も追い打ちとなる。

コスト上昇分を吸収することが限界となり、同社は11月、商品価格を平均で約12%値上げした。笹沼社長は「消費者のことを考えると心苦しい」と吐露。「国や行政による企業支援が必要」と後押しを求める。

少しでも企業を支援しようと、県は経営が悪化した事業者に対し、一律10万円を給付する「事業継続臨時応援金」を11月開会の県議会に提案、可決された。今月1日、申請受け付けが始まった。

企業からは「支援はありがたい」(食品製造業)と歓迎の声が聞かれる。その一方、コロナ禍で行動制限のあった昨年と比べて売上高が2割減少していることが給付の要件となるため、「ハードルが高い」(機械部品製造業)と指摘する声もある。

県中小企業課の担当者は「まずは収益の回復が遅れている傾向にある小規模企業などへの支援につなげたい」としている。

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