【暮らしと’26県予算】 (2) 《連載:暮らしと’26茨城県予算》(2) アニメ主軸 人材育成 クリエイティブ産業振興
「アニメが好き。将来はアニメーターや関連する仕事に就きたい」
茨城県立笠間高メディア芸術科1年、石原大希(ひろき)さん(16)は夢を膨らませる。同校でアニメーション制作が学べると知り、進学を決めた。同じく1年の松野愛海(なるみ)さん(16)も「専用機材やアプリを使い、独学では学べないことを教われる」と笑顔を見せる。
同校は本年度から学科内の「CG専攻」を「アニメーション専攻」と改称した。イラストを描くための液晶タブレットを30台導入し、ソフトを含め実際の制作現場に近い環境を整えた。
しかし、学びを生かせる進学先や就職先は県内に少ない。専攻予定の女子生徒たちは「(制作会社などが)地元にあれば、絶対に行きたい」と声をそろえる。渡辺英一校長は「経済的理由で県外には行けない子にとっても、選択肢が増えるとありがたい」と語る。
日本動画協会によると、2024年のアニメ産業市場は前年比約15%増の3兆8407億円で過去最大を更新した。日本アニメの海外人気は根強く、海外市場は国内市場を2年連続で上回った。
政府は「新たなクールジャパン戦略」で、アニメやゲームなどのコンテンツ産業を基幹産業に位置付けた。日本発コンテンツの海外市場規模を、33年までに20兆円規模に拡大させることを目指している。
一方、市場規模の急速な拡大に対し、クリエイターは不足し、若い人材の育成や確保が追い付いていない。こうした状況の下、工程のデジタル化を追い風に、制作会社が地方に進出する動きが出ている。世界的に大ヒットしたアニメが、地方のスタジオで制作されるなど、「地方の存在感が高まっている」と県産業政策課の担当者は話す。
県は26年度、他地域との「差別化」を図ろうと、新たな産業の育成に乗り出す。成長が著しいアニメ産業を軸に、クリエイティブ・コンテンツ産業の振興に力を入れる。
県と制作会社、教育機関の産官学連携を基に、「クリエイターの育成・確保」と「働く場の創出」の両輪に挑む。同課の鈴木亮治課長は「人材育成をしても、(就職で)都内に行ってしまうのでは地方にとって厳しい。同時に取り組み、相乗効果を高めていく」と狙いを語る。
クリエイターを講師として招く際に支援するなど、学校と制作会社の関係づくりを促すほか、県内の専門学校などがアニメ制作の教育を始める際に費用を補助、学ぶ環境づくりを後押しする。制作会社が県内で創業したり、事業を拡大したりする際にも補助する。
都内で働くクリエイターが茨城県に移住する可能性や、制作会社が県内に移転したり拠点を置いたりする需要を調べる。
鈴木課長は「進学先や就職先を整備し、若者が成長産業であるアニメをキャリアにしていけるよう、支援していく」と語った。











