【暮らしと’26県予算】 (5) 《連載:暮らしと’26茨城県予算》(5) 訪日誘客へ市場開拓 欧米向け観光ツアー企画
茨城県内で人気が高い観光地の牛久大仏(牛久市久野町)。19日午後もツアーなどの団体や個人の観光客が次々と訪れていた。その中には外国人の姿も目立つ。
入場口を通り、すぐに全長120メートルの大仏と正対すると、観光客らは一様に驚き、歓声を上げる。大仏を背景に記念写真を撮ったり、自然豊かな園内を散策したりして思い思いに楽しむ姿が見られた。
マレーシアから親族10人で訪れたヤン・ルーピンさん(48)は「大仏はとても大きくてびっくり。空気もきれいで景色も素晴らしい」と声を弾ませた。
牛久大仏管理事務所によると、2024年度の来場者数は60万人を超え、コロナ禍前の19年度を上回って過去最多となった。このうち外国人は2割を占め、特にアジアからの客が多かった。25年度の来場者数も24年度を上回るペースで推移しているという。
同事務所業務副部長の尾島隆氏さん(42)は「海外の人にも大仏のスケールの大きさや日本文化の魅力を知ってほしい」と話し、インバウンド(訪日客)に期待が膨らむ。
県はこれまで、茨城空港(小美玉市)から就航する都市がある韓国や台湾、中国などアジアを中心に観光プロモーションを展開してきた。
観光庁の宿泊旅行統計調査(確定値)によると、24年の県内宿泊者数のうち外国人は延べ27万7530人で過去最多。国・地域別で見ると、台湾が最も多く4万8260人。次いで韓国3万4110人、中国3万790人で、上位をアジアが占めた。
県は26年度から、訪日客需要のさらなる取り込みを図ろうと、新たに欧米やオーストラリア、中東地域などを対象とした誘客促進に取り組む。
同調査によると、24年に米国から訪れた宿泊者数は1万5700人。英独仏なども数千人単位で、いずれの国もさらなる誘客の可能性がある。悪化する日中関係の影響で同空港と中国・上海を結ぶ便が運休するなど、中国人の誘客が難しい現状もある。
県観光誘客課の担当者は「新たな市場を開拓して観光誘客を促し、観光消費額の増加や地元経済の活性化につなげる」と意気込む。
県は欧米などの旅行会社と連携し、県内観光地や体験コンテンツの視察ツアーを企画。影響力がある訪日メディアやインフルエンサーなどを活用したプロモーションも行う。
同課などによると、アジアからの観光客は滞在期間が数日と短期で、事前に決めた観光地に行く傾向がある。一方、欧米などは数週間から1カ月近くと長期に滞在し、来日してから関心がある観光地を訪れることも多い。
また訪問先では歴史的な背景や意義、日本文化の価値などを深く追求する傾向があるといい、アジアと欧米では需要が異なる。
大井川和彦知事は18日の定例会見で、「欧米人に受ける観光コンテンツを創生してプロモーションしていく」と力を込めた。(おわり)











