茨城選挙区 自民・岡田氏大勝 民進・郡司氏も4選
現新6人が争った茨城選挙区(改選数2)は、自民党現職の岡田広氏(69)と民進党現職の郡司彰氏(66)が新人4人を破り、共に4回目の当選を果たした。岡田氏は前回改選時の2010年の約49万9千票を大きく上回る約60万9千票を獲得し、郡司氏に約30万票の大差を付けた。自民は前回13年に続く大勝で、「自民王国」をより強固なものにした。結党後初の国政選挙に臨んだ民進は勢いが見られなかったものの、3位以下を引き離し議席を守った。
茨城選挙区の投票率は50・77%で、前回を1・11ポイント上回った。
選挙戦は、序盤から一歩抜け出した岡田氏が終始安定した戦いを見せた。郡司氏も旧民主党支持層を手堅くまとめて続き、今回も自民、民進(旧民主)が改選2議席の“指定席”を分け合う結果となった。
岡田氏は、今回参院選を「政治を安定させる大事な選挙」と位置付け、60万票を獲得しての「圧倒的勝利」を目指して戦った。各遊説先では、党衆参国会議員や市町村長、県議団に加え、推薦を受けた公明議員が顔をそろえて結束をアピール。参院議員3期などの実績や抜群の知名度に加え、1100を超える業界団体などから推薦を受けた。公明を含む比例候補の押し上げにも全力を挙げた。
郡司氏は、最大支援組織の連合茨城などを中心に組織戦を展開。県農政連や県医師連盟からも岡田氏と共に推薦を受け、議席を死守した。安倍政権を批判し、「人への投資」や「普通の人から豊かになる政治」を訴え、自民との差別化を図るとともに、元農相の実績もアピール。党勢回復を図ったが、目標とした50万票は大きく下回った。
共産党新人の小林恭子氏(65)は、党支持層に加え、野党共闘を呼び掛ける市民団体「県市民連合」の後押しも受け、「野党と市民で政治を変えよう」と訴えたが、無党派層の受け皿となれなかった。
おおさか維新の会新人の武藤優子氏(51)は、身を切る改革など党の大阪での実績を強調。比例候補の石井章氏と連携して、票の上積みを図ったが、県内で浸透できなかった。
前回、旧みんなの党から立候補した無所属新人の石原順子氏(55)は支持基盤を失い、第三極の風に乗って15万票を得た前回からほぼ半減した。
3回連続で立候補した諸派(幸福実現党)新人の中村幸樹氏(52)は、知名度不足などが響いた。
【岡田広氏の略歴】
参院予算委筆頭理事、当選4回。元内閣府副大臣兼復興副大臣、水戸市長3期、県議2期。立命館大卒。水戸市見和2丁目
【郡司彰氏の略歴】
党参院議員会長、党県連会長、当選4回。元農林水産大臣、農林水産副大臣、参院農林水産委員長。明治学院大中退。ひたちなか市中根
■茨城選挙区の開票結果
(改選数2-候補6) (選管最終)
当 609,636 岡田広(おかだひろし) 69 自民 現 [公]
当 306,050 郡司彰(ぐんじあきら) 66 民進 現
▽ 113,833 小林恭子(こばやしきょうこ) 65 共産 新
- 86,866 武藤優子(むとうゆうこ) 51 お維 新
- 78,655 石原順子(いしはらじゅんこ) 55 無所 新
- 16,282 中村幸樹(なかむらこうき) 52 諸派 新
(四角囲み政党は推薦。▽は法定得票に達した候補者)
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