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【2025 茨城県内10大ニュース】 (2) 《連載:2025 茨城県内10大ニュース》(2) 大の里、横綱昇進

横綱昇進の伝達後、笑顔でポーズを取る大の里=5月28日、阿見町荒川本郷の二所ノ関部屋
横綱昇進の伝達後、笑顔でポーズを取る大の里=5月28日、阿見町荒川本郷の二所ノ関部屋


■最速13場所で最高位

大相撲の大の里が5月の夏場所で2場所連続優勝を果たし、第75代横綱に昇進した。茨城県阿見町の二所ノ関部屋に入門してからわずか2年。初土俵から所要13場所と史上最速で最高位に到達した。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里、同県牛久市出身)以来、8年ぶりとなる国内出身横綱の誕生に日本中が沸き立った。

石川県出身。192センチ、187キロの巨体を生かした迫力満点の攻撃相撲を武器に、昨年9月に大関に昇進。今年の3月場所で3度目の優勝を飾り、初めての綱とりとなった夏場所では重圧に負けず初日から白星を重ねた。

無敗で迎えた13日目は大関琴桜と対戦。琴桜の当たりを受け止め、右差しと左おっつけで攻め返す「横綱相撲」と呼べる内容で完勝した。早々に2連覇を決め「止まらない相撲で圧倒することができた」と充実感をにじませた。

初土俵から所要13場所での昇進は、同郷の輪島の21場所を上回り、年6場所制となった1958年以降初土俵の力士で最速。新入幕から所要9場所も昭和の大横綱、大鵬の11場所を抜く驚異的な速さだった。

昇進伝達式の口上では、大関昇進時と同じ「唯一無二」の文言を入れた。伝達式後の会見で「自分のスタイルを崩すことなく、大の里を前面に出し、口上通り唯一無二の横綱を目指す」と決意を示した。

日体大で2年連続アマチュア横綱に輝き、将来の横綱候補と呼ばれた大器の成長を支えたのは、二所ノ関親方。初土俵から約15年、所要89場所と、苦闘の末に横綱に昇進した師匠の言葉は説得力があった。基礎の重要性を説かれ、力士の土台を築く四股、すり足、てっぽうを丁寧に繰り返した。「とにかく基礎を大事にやったことが結果につながった」と振り返った。

壁に当たった時は、異例ともいえる師弟による稽古を敢行。立ち合いの技術や駆け引きを磨いた。昇進を決めた夏場所前にも二所ノ関親方と稽古に励み、自信を深めた。

9月の秋場所で昇進後初の賜杯を獲得。11月の九州場所は最終盤で左肩を痛め千秋楽を休場したものの、年3度の優勝、全6場所での2桁勝利、年間最多勝を達成し、一年を通じて抜群の存在感を示した。

通算5度の優勝は現役最多。25歳の若き横綱は「これからも回数を重ねていきたい」と、さらなる躍進を誓った。



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