《連載:2025 茨城県内10大ニュース》(7) サツマイモ基腐病
■茨城県、初の緊急事態宣言
茨城県は11月6日、干し芋産地のひたちなか市内で病害の「サツマイモ基腐(もとぐされ)病」が2例確認されたと発表した。県内での発生は、2022年に県北地域で確認されて以来3年半ぶり。その後も感染確認が広がったことを受け、県はサツマイモへの「緊急事態宣言」を初めて発出し、畑の土壌消毒など防疫措置に追われた。
基腐病はカビ(糸状菌)が原因となる病害。感染すると、根が黒っぽく変色したり、茎が腐って葉が枯れたりする。
同5日、複数のコンテナで見つかっていた黒ずんだサツマイモが遺伝子検査で陽性と判明。近隣の畑でも発生を確認した。さらに同18日までに、市内の別の4カ所でも感染が分かり、市全域を対象に県独自の緊急事態宣言を出した。
県は同市やJA常陸の職員と連携し、基腐病が確認された畑での残さの処分、周辺500メートル範囲の畑を含む土壌消毒を実施した。感染ルートが判明しない中、市内の干し芋製造業者からは「危機感がある。根本的な原因と対策が明らかにならないと、一企業ではどうすることもできない」と不安の声が上がった。
消毒の対象としていた地域内の全てのサツマイモ畑など約24ヘクタールについて土壌消毒を完了し、同27日に同宣言を解除した。
今月18日の知事会見では、感染経路について、4~5年前に基腐病の発生が確認されている九州地域から、感染した疑いのある苗を購入し、作付けしていた生産者がいたと発表。水の流れや農作業を介した病原菌の移動、有効な薬剤の不使用により、徐々に近隣の畑に拡大したと推定した。
基腐病は18年に鹿児島県や宮崎県などでまん延し、大きな被害が出た。これまでに36都道府県で発生が確認されている。茨城県では21年6月に県南地域で初めて確認されていた。
県は今後も、対策の周知と指導を徹底する。そのほか、病害が発生した畑は原則2年間の作付禁止としているため、経営継続に向け、他品目の生産で使用する農業機械の導入や代替地での土づくりに必要な経費の助成を検討する。病害根絶のため、健全な種芋の導入や殺菌剤購入に必要な経費の助成も進める。大井川和彦知事は「被害が発生したサツマイモが出荷されることはない。人体への影響もない。市場に出ている甘藷(かんしょ)、干し芋は安心してご賞味いただける」と安全性をアピールしている。
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