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【2025 茨城県内10大ニュース】 (8) 《連載:2025 茨城県内10大ニュース》(8) 神栖市長選で得票同数

神栖市長選の開票所でくじを引く選挙長(左)=11月9日午後10時2分、同市木崎
神栖市長選の開票所でくじを引く選挙長(左)=11月9日午後10時2分、同市木崎


■異例のくじ引き決着

11月9日に投開票された茨城県神栖市長選は、候補者2人の得票数が共に1万6724票で同数となった。同市長選には3選を目指す石田進氏(67)と、新人の木内敏之氏(64)が立候補しており、公選法に基づくくじ引きで木内氏の初当選が決定。両陣営では敗戦の弁を述べたり、当選確実の報に万歳したりした後で、当落が決していないことが分かるなど予想外の事態となった。

両候補の選挙事務所に得票同数が伝わったのは、午後9時50分ごろ。得票数が確定する前に、石田事務所では石田氏が開票状況の報告を踏まえたとして「敗戦の弁」を述べ、当選を確信した木内事務所では万歳三唱が行われていた。「同数」というまさかの展開に、関係者に驚きと戸惑いが広がった。

開票所ではざわめきはほぼ起きず、当選人を決める「選挙会」の準備が淡々と進められた。選挙長が白い筒に入ったくじを引き、木内氏の当選が確定。ほどなくして、木内事務所では2度目の万歳が行われた。

「当事者がくじを引かなくていいのか」「くじで勝ったからよいが、負けていたら納得できなかった」。各陣営の支援者からは、いつの間にかくじ引きが終わっていたことへの戸惑いや決め方に対する疑問の声も聞かれた。

明確な争点がなかったことも影響してか、投票率は過去最低の44.22%と低迷した。当日有権者数は7万6130人。投票総数は3万3667票で、うち無効票は219票だった。

石田氏の陣営は開票翌日の10日、「無効とされた219票の中に有効と思われる票が複数あった」「各陣営の代表者の立ち会いも求めず、選挙長自らくじ引きを行ったのは不適切」などとして市選管に異議を申し立てた。

市選管は申し立てを受理した上で、全ての票の再点検も決定。再点検は11月26日、市民約300人や報道陣が見守る中で行われ、約5時間に及ぶ作業の結果は得票数、無効票数共に開票時と全く同じだった。12月5日、「開票事務は公正かつ適正に執行された」「具体的なくじの方法は選挙会において決定することは可能」などとして申し立てを正式に棄却した。

石田氏は決定を不服とし、県選管に審査を申し立てる意向を示している。県選管が受理した場合、公選法の規定に基づき、60日以内に裁決を行うとみられる。



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