パンクロッカーが長男のお弁当 水戸出身、TOSHI-LOWさん 6年間の調理記録出版:茨城新聞

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2019年6月11日(火)
パンクロッカーが長男のお弁当 水戸出身、TOSHI-LOWさん 6年間の調理記録出版


【写真説明】
「(長男には)あの時、親父が作ってくれたお弁当が面白かったと思ってもらえれば」などと語るTOSHIーLOWさん=東京都内(撮影・高松美鈴)



水戸市出身のパンクバンド「BRAHMAN(ブラフマン)」、アコースティックバンド「OAU(オーエーユー)」のボーカル・TOSHI-LOWさん。長男が小学生だった6年間に作ったお弁当を披露した「鬼弁」(ぴあ・1500円)を出版した。こわもてのパンクロッカーが子どものために作った弁当の記録というギャップが興味を引く一方で、「面白がって作るのが大事」「(自分が作ったお弁当を)見て、笑って、突っ込みを入れてもらえたら」と“らしさ”も感じさせている。

掲載したお弁当は、2012〜18年に非公開のインスタグラムに投稿した一部。「ウインナー星人弁当」「そうめん弁当」「吉野家牛丼弁当」など、おいしそうな42個のお弁当がエピソードと共に紹介されている。

「日記を付けるようにインスタグラムに投稿した。書籍化するのは恥ずかしかったし、できれば伏せておきたかったが、書籍化することで言葉が心に残る。紙で表現できる面白さがある」と話す。

TOSHI-LOWさんは03年に女優のりょうさんと結婚。2男を持つ父親でもある。「お弁当作りはりょうちゃんの方が多い。たまに作っただけ」と謙遜気味に語るものの、朝の30分でお弁当と朝食を作って出掛け、夕方、地方でライブすることもあった。(1)自分が入れたいおかず(2)食べさせたいおかず-を4、5品ずつ作ったという。

同書には、一つたりとも同じお弁当はない。アイデア満載のお弁当は外食などからヒントを得ている。

長男が小学2年生の時、スランプに陥った。「食べてもらえなかったし、発想が湧かないときがあった」と振り返る。ネットを参考にしたこともあった。

お弁当作りで大事にしたことは「(自分が)面白がって作れるかどうか」。きれいだったり、おいしそうな一品を加えるとぐっと面白みが出る。「作るのが苦痛なら、食べる側にも伝わる」とも。調理との出合いは、自身が小学1年生の頃にさかのぼる。実家は水戸市内の食品加工会社。そのころ、両親は工場で遅くまで働いていて、おなかがすいて、1人で野菜を刻んでラーメンや野菜炒めを作ったこともあった。「(小学校低学年で)包丁を握り、調理は実験みたいで楽しかった」。大学時代には、調理師免許も取得した。

同書には「ビックリしたで賞」「食べるのが大変だったで賞」など、長男が選んだ五つの賞のお弁当も紹介されている。「(ランキングは)書籍になるまで知らなかった。うれしかった」と話す。

お弁当作りの時間は、子どもの頃の自分を反すうするとてもいい時間になった。悪さをした時期もあったが、大人になるまで、どれだけ周囲の人に大切にされてきたか気付かされたという。今年、長男は中学生になった。「お弁当を作る機会がなくて、ちょっと寂しい」とつぶやくが、「息子が大人になり、父親になったとき、『あの時おやじが作ってくれたお弁当は面白かった』と思ってもらえたらうれしい」と笑顔をのぞかせた。(鈴木聡美)




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