日本一短い手紙「一筆啓上賞」 中根さん(緑岡高)大賞に:茨城新聞

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2020年1月25日(土)
日本一短い手紙「一筆啓上賞」 中根さん(緑岡高)大賞に
「今を大事に」感謝伝える 「季節の変化気付くのは、母のお弁当-」


【写真説明】
大賞決定を喜ぶ中根悠貴さん(右)と母の淑江さん=24日午後、鉾田市串挽



日本一短い手紙のコンクール「第27回一筆啓上賞」の大賞が24日発表され、県内から鉾田市串挽、県立緑岡高3年、中根悠貴(ゆうき)さん(18)の作品が選ばれた。「春夏秋冬」をテーマに、弁当を作ってくれる母・淑江さん(46)への感謝の思いを込めたという中根さん。受賞に驚きながら「なかなか面と向かって気持ちを伝える機会がないので、こんな形で伝わって気恥ずかしい」とはにかんだ。

コンクールは、宛名と共に40字以内のメッセージを記す形式。今回は国内外から3万2016通が寄せられ、大賞に5通が入った。悠貴さんは「母」へ宛て、「俺が季節の変化に気づくのは、いつも、母さんのお弁当を開いたときです」としたためた。

悠貴さんが弁当を作ってもらうようになったのは、小学校低学年の頃から。

淑江さんが土日に仕事で留守番を任せるときに、作り置いた。悠貴さんが高校に進学してからは、給食がなかったため、習慣的に作るようになった。午前5時半に起きて同6時に作り始め、出勤ついでに息子を車に乗せて学校まで送り、降りるときに弁当箱を手渡す日々だった。

最近は受験勉強で余裕がないという悠貴さん。「弁当箱を開けると、気持ちが切り替えられる」と表情が和らいだ。花や草木といった風景よりも、春ならタケノコ、菜の花が交じり、夏は暑さに負けないようにと肉が多めになる弁当を目にし、母の気遣いに心もおなかも満たされるという。「いつも作ってもらうのが当たり前なので、こうして言葉にしたのは変な感じ」と話す。

ただ、志望校は県外の大学。今後、弁当を作ってもらう機会はなくなりそうで、母子は「弁当を作れる、食べられる今を大事にしていきたい」と声をそろえた。

コンクールの県内からの応募数は326通。ほかの大賞はいずれも県外で中高年の作品だった。主催した丸岡文化財団(福井県坂井市)の担当者は「例年と比べて大賞受賞者の年齢層が幅広く、多様な視点の作品が選ばれた」と話した。4月に同市で顕賞式が行われる。(小島慧介)




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