みずみずしい感性光る 美術・工芸部門
美術・工芸部門は、水戸市千波町の県近代美術館で開幕した。絵画、彫刻、デザイン、版画、工芸、映像など全国から選抜された秀作446点を一堂に展示。作品に漂うみずみずしい感性が会場を華やかに彩っている。
風景や人物、抽象画などの絵画作品の中で、異彩を放っているのが静岡県立静岡商高3年、渥美玲奈さんの作品「自画像」。猿の仲間、マンドリルの顔を画面いっぱいに描き込んだ。青い色をした頬肉の盛り上がりや、鋭い牙を立体的に再現している。
彫刻や工芸などの立体作品も充実。牛久栄進高3年の涌井直樹さんの彫金作品「渓流の双子」は、水中を泳ぐ2匹の魚を薄い金属板を折り曲げて制作。生命の息遣いが感じ取れる。
会場内は、出品した全国の高校生、引率の教員などでにぎわいを見せた。鹿児島県から来た女子高校生3人は「水戸は歴史ある建物が多い」「街並みがきれい」「山がなく平野が広い」などと印象を話した。
このうち、鹿児島県立甲南高3年の中村奈桜子さん(17)は、絵画作品「徒然ならぬままに」を出品。学校の授業や部活動、家庭生活などの一場面を画面の中に散りばめて描いた。「忙しく過ぎてしまう自分の日常を表現してみました」と笑顔を見せた。
実行委員として参加した勝田工高3年、根本慈英さん(18)は会場内の見回りを担当。「裏方となって総文祭を支えたい。夢はロボット関連の仕事に就くこと。この経験を将来に生かしたい」と語った。
同部門開会式では、美術・工芸部門生徒実行委員長で水戸一高3年の佐川日南乃さん(17)が「東日本大震災から3年、元気を取り戻しつつある茨城の姿を伝えていきたい」とあいさつ。現代アート作家の日比野克彦さんが講演と生徒作品の講評を行った。
28日は交流会が開かれ、本県特産品の西ノ内和紙を使った水府提灯(ちょうちん)作りなどが行われる。(沢畑浩二、写真は村田知宏)
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