水海道一は創作好演 演劇部門
演劇部門は、地区大会やブロック大会を勝ち抜いた12校が出場。ひたちなか市青葉町の市文化会館大ホールで個性あふれる舞台を繰り広げている。同部門が開幕した28日、強豪校として知られる青森県立青森中央高の「翔べ!原子力ロボむつ」など5作品を上演。29日は、愛媛県立松山東高の「夕暮れに子犬を拾う」などのほか、唯一の本県勢として、昨年の県高校演劇祭で最優秀賞を獲得した水海道一高の「お好みぃにけ〜しょん」が披露された。
「お好み-」は、文化祭を目前に控えたある日、お好み焼き屋に集まった主人公の長瀬千佳と友人たち、千佳の内面に存在する別の自分「チカ」の心情を織り交ぜた物語。脚本を手掛けた中島梓織(しおり)さん(2年)は、本大会への切符をつかんだ同演劇祭で創作脚本賞も受賞し、千佳の友人・厚子役でも出演した。
舞台では、千佳役の吉山倖代(ゆきよ)さん(3年)が、相手によって表情を変えて、表現に厚みを加える好演ぶり。また、女子生徒の間で起きるあつれきを、脇を固める男性キャストたちが効果的なせりふで引き立たせた。
「現実のシーンでは女子生徒の個性が出るように、回想シーンでは千佳と厚子の対話を意識した」という中島さん。「今日は楽しめたのでよかったです」と笑顔を見せた。吉山さんは「千佳は周りに合わせているが、本当はわがままな面を持っている。その表現に苦労した」と、これまでの演技を振り返った。
同部門は全国高総文祭の中でも人気部門の一つ。本大会では事前申し込み制を採用したが、会場に入りきれない観劇希望者も続出。このため、会場隣の小ホールが開放され、ライブ映像が流された。
最終日の30日は、群馬県立桐生高の「通勤電車のドア越しに」、兵庫県立滝川二高の「志望理由書」の2作品を上演。午後3時すぎから審査員や生徒による講評が行われ、各賞が決定する。
(大平賢二)
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