《連載:茨城県議選 激戦ルポ》水戸市・城里町 6議席に10人乱立 激しい争い必至
茨城県議選が2日、告示された。候補者たちは冬の冷え込みの中、師走の街頭で第一声を上げ、選挙戦をスタートさせた。候補者が数多く出馬した都市部や、保守系同士の争いとなった選挙区では混戦模様となっている。物価高や原発再稼働が争点となり、来年の統一地方選の前哨戦としても注目が集まる。11日の投開票日に向け、9日間の決戦に臨む注目区の激戦を追った。
■水戸市・城里町
(定数6、届け出順)
大関修右 71 無新
高崎進 61 公現④
江尻加那 49 共現②
武藤優子 58 維新
玉造順一 51 立現①
郡司真人 42 無新
川津隆 71 自現⑥
小泉康二 40 無新
木本信太郎 45 無新
舘静馬 55 自現④
◇
「混戦、乱戦、激戦。これほど厳しい選挙はない」-。水戸市・城里町区の候補者たちは、かつてない激戦を強調し、9日間の舌戦に入った。定数6に対し10人が立候補。自民2人と立民、公明、共産各1人の現職5人に、維新1人と無所属4人の新人5人が挑む。現新の自民系同士に、現有議席を死守したい立民、公明、共産と、初の議席をもくろむ維新が激しく火花を散らす。
大関氏は同市杉崎町の自宅前で出陣式。近隣住民ら支持者を前に「安心して暮らすためにはまず地下シェルター。その上に福祉、経済、教育を」と支持を呼びかけた。
5選を目指す高崎氏は同市見川町の市総合運動公園で出陣式。「県民の命を守ることや安心安全の構築に全力を尽くしてきた」と4期16年の実績を強調し、支援を訴えた。
同市白梅の事務所前で第一声を上げた江尻氏は、学校給食の無償化など生活支援や、東海第2原発の再稼働阻止に触れ「暮らしや命を守る声を県議会に届ける」と力を込めた。
初の議席獲得を狙う武藤氏は、市内の神社で出発式。教育や出産費の無償化などを掲げ「失われた30年といわれる日本経済を明治維新の魁(さきがけ)だった水戸から変える」と拳を突き上げた。
再選を目指す玉造氏は両市町でそれぞれ第一声。同市本町の事務所前の出発式では、地域医療の充実と東海第2原発再稼働反対を挙げ「県民の常識が通る県議会に」と声を高めた。
岡田広前参院議員の秘書だった郡司氏は、同市元吉田町の事務所駐車場で出発式。地元支持者らを前に「働きながら安心して子育てできる社会を目指したい」と熱弁を振るった。
7選を狙う自民現職の川津氏は、両市町でそれぞれ出陣式。同市白梅の会場に集まった支持者の前で、医療福祉の充実や産業集積などに触れ「生活政治を貫いていく」と声をからした。
小泉氏は同市渡里町の事務所で出発式。コロナ禍や水害を引き合いに「行政との協働で安心安全な地域の実現を」と訴え、選挙カーに乗り込んで両市町を走り抜けた。
2度目の挑戦となる木本氏は、県央連携中枢都市圏の支援などを掲げる。朝一番に同市千波町の事務所から選挙カーに乗り込み、同市南部と同町内で支持を求めて駆け巡った。
5選を目指す舘氏は、三輪バイクで選挙区内を巡り、夜に同市加倉井町の事務所前で出陣式。政策実現の実績を示し「コロナからV字回復できる政治をやらせてほしい」と訴えた。
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