《連載:茨城県議選 激戦ルポ》鉾田市・茨城町・大洗町 票田「鉾田」争い激化
■現元新、三つどもえ
(定数2、届け出順)
長谷川重幸 69 自現②
井川倫士 43 無新
田山東湖 78 自元⑦
◇
自民の現職と元職に加え、保守系新人が立候補し、三つどもえの激しい戦いを繰り広げている茨城県議選鉾田市・茨城町・大洗町区。各陣営は、選挙区内有権者の半数近くを占める約3万8千の鉾田市の票の行方が鍵を握ると見る。告示から投票までで唯一の選挙サンデーとなった4日、候補者は「大票田」の街頭に立ち、支持を訴えた。
2018年の前回、区割りの変更により、同市と大洗町に茨城町が加わった。3市町それぞれを地盤とする現職3氏が2議席を巡って争い、トップ当選者から次点までが約1700票差しかない接戦だった。
今回も3市町それぞれを地盤にした3氏が立候補。鉾田市だけで約1万2千票を得て、前回トップ当選した元職の不出馬により、各陣営とも「票の読めない難しい戦い」となっている。
唯一の現職、長谷川氏の陣営は「今回は守りの戦い。大変厳しい」と危機感を口にする。地元の茨城町では小林宣夫町長や多くの町議が支援。コロナ禍で疲弊した地域経済への対応などを訴え、町内票を掘り起こしつつ、鉾田市と大洗町で上積みを狙う。
元鉾田市議の井川氏は、世代交代を前面に打ち出す。知名度不足を補うため、早くから交流サイト(SNS)の活用やつじ立ちに励んでいる。「鉾田に県議がいなかったことはない」と語気を強め、同世代の陣営スタッフらとともに、浮動票の獲得を目指す。
返り咲きを期す田山氏は「鉾田が生命線」と、同市の票の取り込みに懸命だ。大洗町の地盤固めを図り、鉾田市内にも事務所2カ所を構え、岸田一夫市長や大半の市議の支援を受け、支持拡大を図る。7期の実績と経験を強調し、陣営の引き締めに注力している。
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