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《連載:茨城県議選 激戦ルポ》日立市 保守分裂で構図一変 労組の牙城、各党激戦

陣営の訴えに耳を傾ける有権者=日立市内
陣営の訴えに耳を傾ける有権者=日立市内


(定数4、届け出順)
斎藤英彰 62 国現③
高安博明 57 国現①
福地源一郎 74 無現⑤
村本修司 55 公現①
瀬谷幸伸 46 無新

長く与野党が「指定席」を分け合ってきた茨城県議選日立市区は、保守系分裂の構図となったことで、これまでと様相が一変した。公明党と国民民主党、無所属の現職4人に加え、自民党県連が推薦する新人が立候補し、「誰もが当選する実力を持つ」(地元国会議員)という激戦に突入した。

斎藤氏と高安氏は、ともに日立製作所労組の出身。労組系の牙城として旧民主党時代から続く議席の死守を目指す。組織の緩みを警戒する陣営は、取りこぼしを避けるため「投票に行こう」と書かれたのぼりを新調するなど組織力の最大化に力を注ぐ。告示後は玉木雄一郎党代表も応援に駆け付けた。

再選を狙う高安氏は、地域活性化を掲げ、「産業振興とにぎわい創出を柱に取り組む」と主張。4選を目指す斎藤氏は、これまでの災害対応の経験を踏まえ「安全安心な地域づくりが最優先」と訴える。

福地氏は昨年、県が市内に建設予定の産廃処分場への対応を巡り自民を離党。無所属での戦いを、県議5期20年で築いた熱心な後援会が支える。処分場については中学校の近くを通る搬入道路の見直しを訴え、「住民や子どもの安全を守る」と強調する。

再選を狙う村本氏は「当落線上の戦い」と危機感を強め、支持母体・創価学会の組織票を固める。「より具体的に、迅速に」をモットーとした1期目の実績として、産学官連携での産業振興や公立学校へのエアコン設置などを並べ、実行力をアピールする。

新人の瀬谷氏は、福地氏の離党で「空白区」の解消を目指す自民日立支部のバックアップを受ける。出陣式には自民系の団体や市議が応援に駆け付けた。保守分裂の構図に「日立が生まれ変わるには人もバトンタッチが必要」と、世代交代を強く訴える。



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