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【防災いばらき 未来へつなぐ 3.11震災15年】 (8) 《連載:防災いばらき 未来へつなぐ 3.11震災15年》第2部(8) 指定廃棄物、滞る処理 処分場確保、住民の反発

倉庫に保管する指定廃棄物の状態を確認する自治体職員=県央地域
倉庫に保管する指定廃棄物の状態を確認する自治体職員=県央地域


茨城県の県央地域にある公共施設敷地内の一角。複数のテント倉庫の中には、指定廃棄物が入った多くのフレコンバッグが積み上がる。4日午後、保管する自治体の職員が、異常がないか確認していた。

指定廃棄物は、2011年3月の東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質で汚染され、放射能濃度が1キログラム当たり8000ベクレルの基準値を超えるごみの焼却灰や下水汚泥、稲わらなどだ。

倉庫にある指定廃棄物は13年度まで敷地内の別の場所で保管されていた。14年3月に倉庫に移され、以来12年間、保管されている。

担当者は、定期的に倉庫周りや中の指定廃棄物の状態をチェックしているとし、「大雨が降れば倉庫内に浸水していないか、強風だったら倉庫に問題はないか、状況に応じて確認する」と話す。

倉庫の指定廃棄物は既に基準値を下回っているが、「処分の見通しは立っていない」(担当者)。

国は11年11月、指定廃棄物の発生量が多い茨城と宮城、栃木、群馬、千葉の5県に各1カ所処分場を建設する方針を決めた。

茨城県内でも12年9月に国が候補地を選定したが、地元の強い反発を受けて13年2月に選定のやり直しを表明した。

以来、建設のめどは立たず、保管する茨城県内14市町長らは15年4月の会議で、処分場建設は住民の合意形成が困難とし、長引く問題の打開策として分散保管を続けることでまとまった。

環境省は16年2月、茨城県の指定廃棄物は放射性物質濃度が比較的低いことなどから容認した。同4月には基準を下回れば指定を解除し、一般の廃棄物と同じく既存の処分場で処理できる新たなルールを決めた。

同省によると、25年12月末現在、県内の指定廃棄物は3308.8トン。当初は3643トンで、減少分の一部には指定解除され、処理されたものもあるという。

ただ、大半は保管されたままで、処理は進んでいない。

同省が16年3月から約1年かけて3643トンの放射性物質濃度を再測定した結果、基準を超えていた指定廃棄物は、全体の17%に当たる612.3トンまで減った。自然減衰を考慮した同省の推計では、22年3月時点で18.2トン、27年3月時点で0.4トンまで減るとしている。

基準値を下回って処理が可能でも、処分場によっては国の基準より厳しい独自の受け入れ基準を設けているなど、理解を得るためのハードルは高い。

ある自治体担当者は「処理できる場所の確保は自治体だけでは難しい。国のサポートも必要だ」と強調する。別の自治体担当者も「基準値を下回ったとしても住民からの反発が起こる」と懸念を示す。

同省の担当者は「保管者と連携しながら安全性の説明や財政的な支援を行い、処理を進めたい」としている。(第2部おわり)



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