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《いばらき御朱印めぐり》北茨城市・長松寺 本堂に華やかひな壇

ひな人形を前に寺の歴史を語る中村純裕住職=北茨城市大津町
ひな人形を前に寺の歴史を語る中村純裕住職=北茨城市大津町
長松寺の定番の御朱印(左)と期間限定の御朱印
長松寺の定番の御朱印(左)と期間限定の御朱印
長松寺
長松寺


■限定スタンプ愛らしく

茨城県北茨城市大津町の高台にある、天台宗大宮山「長松寺」。岡倉天心ゆかりの寺院としても知られている。コロナ禍で、同市内の商店や個人宅で楽しめるイベント「北茨城ひなあかり」は中止だが、同寺院の本堂では、華やかなひな壇などが飾られている。

創建は平安後期。天台宗天台座主の慈覚大師が、全国を布教活動に回って建てたお寺の一つと伝えられる。本堂一角には「波切不動」が祭られ、厚く信仰されている。中村純裕住職(57)は「(北茨城は)漁師町。毎月28日になると、漁師の妻らが集まり、漁に出る夫たちの無事を祈願している」と話す。

同寺院では2月中旬から来月中旬まで、7段飾りのひな壇や和紙製のひな飾りなどが華やかに飾られ、参拝者を出迎えてくれる。

ひな壇やひな飾りは、市内外から寄付されたもの。第1号は、長らく海外で生活していた〝帰国子女〟のひな壇だった。中村住職は「知人からおたき上げの依頼を受けた。もったいないため飾り始めた」と、きっかけを話す。一つ二つと増えていき、今では本堂の両側にも飾られるほどにぎやかに。

同寺院の御朱印は3種類ある。来月中旬までの限定御朱印「ひなまつり」は、愛らしい女びな、男びなのスタンプが印象的な御朱印だ。

ほかにも、4月8日のお釈迦(しゃか)さまの誕生を祝う「花まつり」(4月8日から同月末までの限定)や、通年で授与する「大雄宝殿」もある。

「花まつり」には計7個のハスのスタンプが押されている。中村住職は「諸説あるが、お釈迦さまは生まれてすぐに7歩、歩いたという説があることにちなんでいる」という。

同寺院が岡倉天心と縁が深い理由はいくつかある。岡倉天心と妻・基子さんの位牌が安置されるほか、岡倉が、廃仏毀釈(きしゃく)の影響を受けた興福寺(奈良県)から持ち帰ったとされる、両腕両足を失った仏像「興福寺千体仏」が今も保存されているなどのためだ。中村住職は「この寺とはご縁があったのだろう。(岡倉は)仏像が破壊されるのを見ていられなかったのではないか」と推測する。

御朱印やイベントを通じて、「昔のように人が集まり(寺院が)地域のよりどころになるように」などとの願いがあるそうだ。中村住職は「御朱印を集めるのがきっかけで、仏心が芽生えてくれれば充分」と話す。

ひなまつりの限定御朱印代は、県内の福祉団体などを通じ、子どもたちに還元される。(第1土曜日掲載)

■メモ
アクセス…北茨城ICから車で約20分/JR常磐線大津港駅下車し、タクシーで約5分。
住所…北茨城市大津町1466
電話…0293(46)0602
御朱印…初穂料500円。御朱印帳は3種類。午前8時~午後4時。(※葬儀などで留守の場合もあるため、電話を入れてから訪ねる)。



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