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《いばらき御朱印めぐり》石岡 摩尼山吉祥院 評判 笑顔のお地蔵様

御朱印を持ちほほ笑む照沼信興住職=石岡市山崎
御朱印を持ちほほ笑む照沼信興住職=石岡市山崎
吉祥院のお地蔵様が書かれた通常御朱印
吉祥院のお地蔵様が書かれた通常御朱印
摩尼山吉祥院
摩尼山吉祥院


■感謝表す一言を添える

茨城県石岡市内の県道140号から路地に入ってすぐ、摩尼山(まにざん)吉祥院(きちじょういん)はある。平安後期に開山した同院は、江戸時代には将軍・徳川家光から朱印地を賜り、僧侶が集まって学問する場所として栄えたという。

本尊は延命地蔵菩薩。照沼信興(しんこう)住職(67)は「延命地蔵という名は、大地のような大きな慈悲で人々を救い、かつ命を永らえる仏様のこと」と説明する。脇本尊には、航海安全や所願成就の仏様である波切不動尊を祭るほか、境内の一画には、福ふく来地蔵が鎮座。参拝者に幸福が訪れるようにと建立された。本堂の裏側には、願い事をかなえてくれるという願掛け夢観音がそびえ立つ。

同院ではこれら本尊、脇本尊、福ふく来地蔵の名をそれぞれしたためた3種類の御朱印を渡している。御朱印ブーム以前から頒布し始めたが、希望者は年に数人ほどだったという。しかし新型コロナウイルス禍になってから、照沼住職が「参拝者の癒やしになれば」と笑顔のお地蔵様を描き加えるようになると、「にこやかなお地蔵様がかわいい」と評判を呼び、参拝者が増えたという。

ほかにも「ありがたや、ありがたや」という言葉を朱色のペンで書き付ける。「生きていることや、毎日平穏に暮らせること、周りの人への感謝を表現している」と照沼住職。さらに、「一寺一会」や「一日一笑」といった一言も添える。

御朱印は全て照沼住職が1人で手がけているため、不在時には書き置きを用意する。御朱印帳への記帳を希望する人は、事前に電話連絡が必要だ。

御朱印ブームの背景について照沼住職は「単に趣味で集めるだけでなく、悩みや願いを持って巡っている人も多いのでは」と考える。そのため、参拝者には気さくに声をかけるなど、悩みを打ち明けやすい雰囲気づくりを心がける。「たとえ解決できないとしても、話すことで気が晴れることも少なくない。少しでも力になれたらうれしい」とほほ笑む。

参拝者はもちろん、地域との交流にも心を砕いてきた同院。毎年春には境内にある桜をライトアップしたり、副住職が月に1度、瞑想(めいそう)会を開いたりして、地域住民に気軽に足を運んでもらえるよう、工夫を重ねてきた。近年では同院についてもっと知ってもらおうと、年に1度、オリジナルの冊子を作って檀信徒(だんしんと)に配布する。照沼住職は「お寺をもっと身近に感じてもらいたい」と話した。

■メモ
アクセス…石岡市のJR常磐線羽鳥駅から車で西に約10分。
住所…石岡市山崎608(ナビで出ない場合は番地を607で再検索)
電話番号…0299(46)3794
御朱印…1枚300円。B5ほどの大きなものは500円。受け付けは午前9時~午後5時(お盆期間や正月を除く)。



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