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《いばらき御朱印めぐり》古河市 雀神社

御朱印を手に雀神社について説明する加茂寿彦さん=古河市宮前町
御朱印を手に雀神社について説明する加茂寿彦さん=古河市宮前町
大久保翠洞の印が押された御朱印(左)と御朱印帳
大久保翠洞の印が押された御朱印(左)と御朱印帳
樹齢が約800年となる夫婦けやき
樹齢が約800年となる夫婦けやき


■地元篆刻家作成の印 「夫婦けやき」樹齢800年

茨城県古河市宮前町にある雀神社は渡良瀬遊水地のほとりに位置する。御朱印には、同市出身の篆刻(てんこく)家の大久保翠洞(すいどう)(1906~97年)の手がけた印が押されている。

祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)(大国主命)、少彦名命(すくなひこなのみこと)、事代主命(ことしろぬしのみこと)の3柱。創立年代は、よく分かっておらず、複数の説が伝えられている。一番古い説は、紀元前50年ごろ。神社の名前は、東国を鎮定するために創立された鎮社(しずめのやしろ)に由来する。「しずめ」がなまって「すずめ」になったという。別の説では、850年ごろに出雲大社の分霊を祭ったとされ、神社の周辺が「雀が原」と呼ばれていたことが由来となった。

初代古河公方の足利成氏が同社を崇敬していた。また、関ケ原の合戦前に徳川家康が同社で国家安穏を祈願したと伝えられる。

境内には、樹齢約800年となる御神木の夫婦けやきがある。根元の周囲は18メートル、樹高25メートル。2本のけやきが合体したもので、そこから縁結びの御利益があるといわれる。約40年前の火事で1本が被災したが、残る1本は現在も生きている。巨木であるため、ウロでフクロウが子育てをしたこともあるという。同市出身の名工が制作した江戸中期のこま犬や、明治初期の手水舎(てみずや)などが並ぶ。

同市は、御朱印の印を手がけた翠洞や、日本を代表する篆刻家の生井子華(1904~89年)を輩出し、国内唯一の篆刻美術館がある。

翠洞が担当したのは、御朱印の中央下にある「雀神社社務所」の印。宮司の加茂寿彦さん(66)の祖父が翠洞と同級生であった縁で篆刻の制作を依頼したという。このほか、翠洞の父親が彫ったとされる「総社雀神社」の印や、スズメの印が押されている。

オリジナルの御朱印帳は、大と小の2種類を用意。スズメのイラストが描かれており、デザインがかわいいと評判になった。加茂さんが神社の起こりの説の一つである「雀が原」をイメージして、デザインを考案した。

加茂さんは「御朱印帳や御朱印の次のデザインについては息子に託したい。今後はもっと新たな行事を増やすことができれば」と話した。

■メモ
アクセス:JR古河駅から約1.5キロ、徒歩20分
住所:古河市宮前町4の52
電話:0280(22)0477
受付時間:午前9時半~正午、午後1~5時


御朱印:500円、御朱印帳は小が1700円、大が2000円



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