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《いばらき御朱印めぐり》東海村 長松院

御朱印を持ち、長松院の前で笑顔の小嶋康禅副住職=東海村石神内宿
御朱印を持ち、長松院の前で笑顔の小嶋康禅副住職=東海村石神内宿
(左から)あじさいまつり期間限定版、通常版の御朱印
(左から)あじさいまつり期間限定版、通常版の御朱印
本堂の隣に広がる枯山水。参拝客からは「小京都」と評される
本堂の隣に広がる枯山水。参拝客からは「小京都」と評される
長松院
長松院


■期間限定 アジサイ柄 石神小野崎氏 城郭の一部

茨城県東海村石神内宿の長松院は、境内に約500株のアジサイが植えられている。青や紫、ピンク、白と色鮮やかに咲く花の見頃に合わせ、6月中旬から1カ月開く「あじさいまつり」期間には、毎年異なるデザインの限定御朱印を頒布する。

1487(長享元)年、佐竹氏家臣の石神小野崎氏によって開かれた同氏の菩提寺(ぼだいじ)。元は、15世紀前半から17世紀初めまで同氏が在城していた石神城城郭の一部だった。現在の参道は、兵たちが常駐して馬を訓練する馬場だった。敷地の北側には当時、海から城まで塩を運ぶ「塩の道」として使われていたという古道が残る。

塩の道に面する正門には、同氏の家紋「右二つ巴(ともえ)」と並んで、水戸徳川家の家紋「三つ葵」が描かれている。廃仏毀釈(きしゃく)の動きが強まっていた江戸時代末期、水戸藩8代藩主、徳川斉脩(なりのぶ)公の正室・峰姫が徳川家の位牌(いはい)の行く末を案じ、位牌を長松院に託したことが由来だ。同院は水戸城内の御霊屋(みたまや)を守る2寺の一つだった。

本尊は虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)。絶対秘仏で非公開となっており、物事の真理を見抜く力、つまり智慧(ちえ)を授ける御利益があるとされる。水戸城から見て鬼門の方角の北東には、不動明王を祭る「あじさい堂」がある。厄よけや煩悩退散など不動明王の御利益を受け、人の幸せを願って穏やかな心で過ごせるようにとの願いが込められている。

小嶋康禅(こうぜん)副住職(26)によると、創建以来少なくとも3回、火事に見舞われているそうだ。現在の本堂は1991年に建て直したもので、隣に枯山水も造った。約20年前には、あじさい堂に続く道をアジサイが咲きそろう「寂光苑(えん)」として整えた。毎年6月15日から1カ月間「あじさいまつり」を、6月15日から8月15日にかけては、客殿と本堂を結ぶ廊下や参道を約700個の風鈴で飾る「風鈴まつり」を開き、色とりどりの花と涼やかな音色で参拝客をもてなす。

御朱印は通常版、あじさいまつり期間限定版の2種類。いずれも、中央に不動明王を表す梵字(ぼんじ)「カーン」が書かれている。期間限定版は年ごとに違う絵柄で、今年は青や紫のアジサイをかたどったスタンプを全面に押した。

小嶋副住職は「(これからは)アジサイや風鈴の音がきれいな時季。どなたでも入れるので、足を運んでもらえたら」と呼びかけている。

■メモ
アクセス:東海スマートICから約3キロ、車で10分
住所:茨城県東海村石神内宿1173 (電)029(282)8147
受付時間:午前9時~午後4時
御朱印:通常版は300円、あじさいまつり期間限定版は500円



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